【更新】日経・iza公式サイト相次いでリニューアル。中身をチェックしてみよう
2007年07月03日 19:35
すでにお気づきの人も多いだろうが、新聞社系公式サイトの中で経済情報取得場所としては他の追随を許さない【日経新聞の公式サイト(NIKKEI NET)】と、同じく新聞社系公式サイトの中では日本のものとしては珍しくトラックバックの受付を行うなど先進性が随所で見受けられる産経新聞系の【iza】で相次いでデザインのリニューアルが行われた。覚え書きの意味もかねて、ここで紹介しておこう。
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●全面的イメージ変更……日経新聞公式サイト(NIKKEI NET)
izaもNIKKEI NETも衣替えとなる7月2日(月曜)を期にイメージ・デザインの全面変更が行われたのだが、特に大きな変更が実施されたのはNIKKEI NET。これまでの質実剛健・クラシックだが基調色の濃い青を広面積に用いたものとして、多くの人には馴染み深いものだった。
デザインの変更内容は説明ページにも記載されているが、コンテンツを統廃合し、基調色の面積を少なくすると共にグラデーション的な色使いをし、青による「硬さ、真面目さ」を残しつつも「優しさ」も演出。さらに、前デザインでは多少感じられた「古めかしさ」をなくし、海外報道紙サイトにあるような「文字中心の中に見え隠れする知的さ」をより前面に打ち出している。
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NIKKEI NET新旧のデザイン。
このイメージは先に【ニュース集約サイト「47NEWS」軽量化などのリニューアル】でも伝えた、リニューアル後の【47NEWS(よんななニュース)】に通じるものがある。
また、細かいところだが以前はトップ記事の右側にあった写真ニュースが左側上部に移動している。ここはウェブデザイン的には「もっとも注目されるエリア」であるだけに、(NIKKEI NETはそもそもテキスト中心のサイトであるが)新デザインでは写真にも注力している意図が見て取れる。もっともその直下に広告も配されているため、これを置くために一緒に写真ニュースも左上に移動した、と邪推することもできるのだが……。
また、気が付きにくいことだが、ページタイトルが
旧:「NIKKEI NET」
新:「NIKKEI NET(日経ネット):日経の最新ニュースを速報」
と変更されており、検索エンジン上での検索結果などにも気を使っているのが分かる。
さらに【アクセスランキング】を導入して「他人が気になるニュースは自分も気になる」心理をくすぐるページを用意するなど、色々と考えた上でコンテンツを導入しているようである。
●タブの全面採用……iza
同じく同時期にリニューアルしたizaでは、さらにデザインの変更度が高い。色合いは過去のものとさほど変わらないが、操作部分に大きな違いが見られる。
以前は他の新聞社サイトと同じように、ごく普通の情報掲載方式を用いていおり、トップページも「一番上に今一番の注目記事」が載り、以後ピックアップニュースがタイトルだけ並び、次いで通常の記事がジャンル別に掲載されるなど、上から下に順番に流し読みするタイプだった。
↓
iza新旧のデザイン。
改変後のizaのデザインでもっとも注目すべきところは、トップページにタブ(ルーズリーフの目次・インデックスのような仕組みで、複数の画面を1つのウィンドウ内で切り替えられるもの。Mozilla FireFoxなどのタブブラウザで有名)が採用されたこと。今一番の注目記事のダイジェストは掲載されなくなり、注目記事のタイトルから読者を誘導するようになった。
またタブの中に、iza内のブログのリストや、アクセスランキングも同系列に配していることから、トラックバックだけでなく「iza内ブログ」「ユーザーの注目記事」という点でもサイト全体を「読者と共に」の姿勢にスライドしているのが分かる。
さらにNIKKEI NET同様、色の基調は変えていないものの、薄めの色を採用し、ユーザーにフレンドリーさを演出しているのが分かる。特に文字部分の色がこれまで黒を中心にしていたのを薄い水色を全面採用したことで、イメージが大きく変わっている。
今回取り上げた2サイトのリニューアルで共通していることは「読者の動向を気にしている」「ハードルを低くして多くの人に見てもらうよう優しいイメージを演出している」というところ。
両社(者)の「衣替え」が読者にどう受け止められ、支持されるのか。それは今後このリニューアルがそのまま継続されるのか、それとも再度手直しされるのかなどを見ていくことで分かるだろう。
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