空自次期主力戦闘機とF-2とF-22とF-35
2007年07月26日 19:35
先日アメリカ下院歳出委員会が米最新鋭ステルス戦闘機F-22ラプターの輸出禁止を事実上容認したことで、防衛省が予定してたFX(次期主力戦闘機)の選択肢にF-22を加えることは、少なくとも次年度予算の来年夏までは不可能になった。そのために【次期主力戦闘機問題、現行機F4の使用延長の可能性・産経報じる】でも報じたように、現行主力戦闘機のF4ファントムの耐用年数を伸ばすなどの苦肉の策を講じる羽目に陥っている。現行では一応【空自の次期主力戦闘機はF22? それとも……調査対象は6機種】にあるように6機種が選考対象で、【空自次期戦闘機、F/A18・F15FX・ユーロファイターの3機種に絞り込みへ】の通りF/A18・F15FX・ユーロファイターが有望視されているが、防衛省内部では「F-22で決まり」という雰囲気が強い。それだけに今回のアメリカ側の決定は大きな衝撃をもって受け止められている。
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前後して防衛省内部でも独自のステルス戦闘機の開発促進が指示されたようだが、これとて今日明日にどうにかなるものではない。今後、これまでに挙がっている6候補機種や、現行のF4戦闘機、さらには現行の支援戦闘機F-2とあわせ、色々な思惑が絡み合い、ニュースに登場することだろう。
さて。今日読者からF-35について指摘があり、調べなおしてみたところ、当方(不破)の事実誤認が判明した。まことに申し訳ない。また前後して当サイトへF-2やF-22、F-35関連の資料を求めに来ている人が多いことも確認できた。そこで間違い直しの意味もあわせ、今回簡単にこの3機種について再解説することにしよう。
●F-2(F2)(航空自衛隊、支援戦闘機)
航空自衛隊による支援戦闘機(要は戦闘機としても攻撃機としても使える戦闘攻撃機)。F-1の後継機として登場したもので、当初は国内オリジナル開発によるものだったが「色々な事情」によりF-16に手を加えたものとなった。防衛計画の見直しにより「中途半端な性能と割高な価格」とのらく印を押され、合計98機の調達で調達(生産)が終了することになる。時代の荒波にもまれた、色々な意味で不運な機体といえよう。
●F-35(F35)(アメリカ空海軍・イギリス軍など、総合攻撃戦闘機)
ロッキードマーチン社が中心に開発している、総合攻撃戦闘機(JSF)。愛称はライトニングII。開発にはイギリスなども参加している。また、通常離着陸機・艦載機・短距離&垂直離着陸(STOVL)の3タイプの飛行仕様を持つ意味で「汎用戦闘機」ともいえる。F-16やA-10の後継機であり、F-22をサポートする役割を果たす位置にある(ここが先に述べた「事実誤認」。F-22の後継機ではない)。最近では映画『ダイ・ハード4.0』の後半に大々的に登場し、多くの航空機ファンのハートをわしづかみにしている。
●F-22(F22、F-22A)(アメリカ空軍、多用途戦術戦闘機)
ロッキードマーチン社が中心に開発しアメリカ空軍に採用された、F-15の後継機にあたる多用途戦術戦闘機。愛称はラプター。ステルス性の高さと高速飛行など単機性能の高さ・生存性が特徴。その高性能さから、存在だけで大きな威圧能力を持つ事は先に沖縄に一時滞在したことでも明らか。またその「威力」ゆえにさまざまな勢力が工作を行い日本への配備が妨害されているという説もある(防衛機密の秘匿レベルの低さが問題なのには違いないが)。
さて、事態は非常に流動的なため今後どうなるか、専門家でもなければ独自のルートもない当方にはとんと検討もつかない(笑)。ただ冷静に、そして客観的に効率性と効果、そして現実性を考えれば「F-22を少数、F-35かF-15FXをそれなりに装備」が一番なのではないかと思われる。F-22については機密性の問題もあるだろうから、独自に装備できなければ日本国内のアメリカ軍基地に「定住」してもらい、整備管理実働をお任せしてしまえば良い、という考え方もある。要は日本、あるいはその内部近辺に「存在」し、ニラミを効かせていればよいのだから(砲艦外交とか、「ご近所」のミサイルなどと同じ考え)。
当然のことながら、これらの懸念が杞憂に終わり、配備された戦闘機たちがすべて一度も実働することなく「平穏な」時が過ぎ去り、彼らの仕事が訓練と「ニラミを効かせること」だけで終わるのが一番なのだが。
(最終更新:2013/09/08)
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