CDや本、子ども用品など相次ぐ「ネット上の物々交換サイト」

2007年07月25日 06:30

物々交換イメージ物の価値を絶対化しやり取りを簡単にすることで人類の文化と経済に大きく貢献した「貨幣(通貨)」というシステムが当たり前のように普及している今日でも、物々交換は重要な経済行為として注目されている。通貨に変換する際の手間や手数料を省き、交渉の楽しさを楽しめるなど、独自のメリットがあるからだ。ネットと輸送インフラの普及によって、物々交換も新しい時代に突入しつつあるのかな、と思わせるような動きが相次いでいる。CD、書籍、子ども用品をネット上で物々交換しようという試みが立て続けに登場(あるいは目に留まった)ので、ここでまとめてみる。

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●CDの物々交換サイトHimalaya(ヒマラヤ)[該当ページ]http://www.himalaya.jp/

CDの物々交換サイトHimalaya(ヒマラヤ)イメージ自分が不要と思ったCDを、他人の不要CDと交換するマッチングシステム。ユーザー登録した利用者は「自分が不必要になったCD」「欲しいCD」の二種類を登録する。その登録データは管理側に記録され、各利用者が検索できるようになる。

利用者は自分が欲しいCDが「不特定多数の人の『不必要CD』」内にあるかどうかを探し出す。もし見つかればその「不必要CD」の保有者と、自分が登録している「不必要CD」とを交換することができる(もちろん相手が、自分の持っている「不必要CD」の中に欲しいCDが無いと判断すれば交換はできない)。

ビジネスモデルは交換手数料の他(登録料は無料)、登録されているCDからのアマゾン・アソシエイツ料でまかなわれるようだ。「欲しいCD登録をしたけど、交換がなかなか出来ない。我慢できないから買ってしまおう!」というニーズに期待している模様である。

※注:2008年12月時点で当サイトは閉鎖し、当ドメインにはアダルト系のサイトが運営されています。残念なお話ですが……きむきむ様、ご連絡ありがとうございました。

●本の物々交換サイトBibuly(【該当サイト】)

本の物々交換サイトBibulyイメージこちらは書籍の物々交換サイト。【アンノウン】が7月18日に始めたサービスで、こちらも利用は無料。システムもヒマラヤとほぼ同じで、各登録ユーザーは「欲しい本」「持ってる(交換しても良い)本」を登録し、他のユーザーのアプローチを待ったり、自分から欲しい本を検索してアプローチをかける。お互いの「欲しい」「あげても良い」の交換条件が成立すれば、交渉は成立となる。

交渉成立後の商品発送などは当事者の負担。ビジネスモデルとしては現行は無料展開をしているものの、(データ抽出をアマゾン経由で行っていたり各種データ分析も細部に渡り実施しているので)今後アマゾンの紹介料がシステム側にもたらされるような仕組みを取り組むものと思われる。例えば「この本が欲しい」と登録している人に、そのシリーズの新刊を「アマゾンで出てるけど、買いませんか?」とオススメするような形だ。

今後、ゲームやCD、DVDも交換対象にするとの話もある。ヒマラヤと良いライバルになるだろう。

●子供服の交換サイトMamaMarket(【該当サイト】)

子供服の交換サイトMamaMarketイメージこのサイトは、子どもの成長と共にすぐに小さくなって着られなくなる子ども服を交換し合うという、子どものいる家族にはありがたいシステム。今回紹介した他のシステムと違うのは、直接物々交換をするのではなく、専用のポイントを経由するということ。

着られなくなった子ども服をシステム側に提供し、検品を通過すると1ポイントがもらえる。利用者はこのポイント1つにつき、一つシステム側で管理されている子ども服をもらえることになる(「購入」はできない。あくまでも物々交換が前提)。

システム側で管理されている子ども服はサイズや男女別、ブランド別などさまざまな種別で検索することが可能。写真も掲載されているので、イメージと違うかな、と頭を悩ませることもない。

子ども服の特性を活かした、ニーズの高いシステムといえる。ビジネスモデルとしては利用者が必然的に「育児をしている家族、特に母親」となることから、彼女らにアプローチをする広告の掲載に寄っているようだ。非常に質の高い顧客を得られることだろう。


今回紹介したサービスの他に、例えばヤフーでは【なんでも交換】を実施しているが、こちらはあくまでも「あげます」「ください」の一方通行の情報展開なため、今ひとつ盛り上がりに欠けている。「交換希望」という項目もあるが、「ついでに」というレベルでシステムとして本格的に機能しているものではない。ヤフーはオークションサービスでマッチングシステムは得意なはずなのに、どうして採用しないものか不思議である。

今回紹介したサービスにある程度共通しているポイントは、「マッチングサービス」「ブログパーツの提供による不特定多数への情報展開」「中古売買・オークションシステムとの類似」である。要はネット上で展開されている色々なサービスの基本機能を色々と抽出してつなぎ合わせることで、新しいサービスを作りニーズに応えようとしているものだ。いずれも「あれば便利だ」と思わせるサービスなのに違いはなく、今後の利用者の増加が期待される。

問題なのはそのサービスのビジネスモデル。いくら利用者が増え、便利さを実感しても、システム運営側に儲けが出ないのではビジネスとして成り立たず、継続運営が出来ない。「いかに便宜性を維持しつつ利益を得られる仕組みを作れるか」に、これら交換サイトの将来性が左右されるといえるだろう。


■関連記事:
【物を大切にする心を。おもちゃ交換の専門サイトが登場】

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