携帯電話は「電話」にあらず? 「ほとんど通話しない」が4割

2007年07月21日 12:00

モバイルイメージモバイルを中心に広告代理事業などを手がけるアップデイト社内のモバイルマーケティングデータ研究所は7月19日、携帯電話の利用に関する実態調査の結果を発表した。それによると、携帯電話を利用している人が実際に「通話」をしている割合は少なく、「ほとんど無い」と回答した人が約4割にも達していることが明らかになった(【発表リリース】)

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今調査は7月6日から10日の間、19のモバイルサイトの協力のもとに行われたもので、有効回答数は9584人分。さまざまな質問が行われているが、その中の一つ、「1日あたりの平均通話回数は何回ですか」という問いには43.9%と半数近くが「ほとんどない」、つまり携帯電話を「電話」として使用していないことが明らかになった。

「1日あたりの平均通話回数は何回ですか」
「1日あたりの平均通話回数は何回ですか」

さらに「携帯電話で通話した場合の1回あたりの平均通話時間」についてたずねたところ、「5分未満」が48.9%ともっとも多く、30分未満で8割以上との結果が出た。

「携帯電話の1回あたりの平均通話時間はどれくらいですか」
「携帯電話の1回あたりの平均通話時間はどれくらいですか」

特に「5分未満」について年齢層別で見ると、10代では49.3%と半数近くに登るものの以降やや割合が減り、30代から再び増え、40代以上では60.8%の人が携帯電話での通話時間が5分未満と答えている。また、平均だけでなくすべての年齢層において「平均通話時間が30分未満」という割合が8割を超していた。

携帯電話はすでに
携帯「電話」ではなく
情報通信端末に
「電話機能がついている」
ものとして扱われている

「携帯電話での通話はほとんどせず、したとしても5分以内で留めてしまう、長くても30分以内」。そのような携帯電話の利用スタイルが浮き彫りになった調査結果となった。かつで携帯電話が普及しはじめたころは「据え置き型携帯電話での長電話同様に、友達と色々と他愛の無いことを長々と話す」というイメージが強く、実際にそのような使い方をした人も多いはず(純粋に通話機能しかない携帯電話を持っている人は今でも長電話をしている人もいることだろう)。しかし現在ではこのような使われ方が主流となっているようだ。

今回の調査が、携帯電話の通話以外におけるサービス(掲示板やコミュニティ、ショッピング、ゲーム)の利用者を対象にしたせいもあるが、それを考慮に入れてもこの調査結果はある意味「携帯電話はすでに電話そのものの機能から、メールやネットなどを用いる情報端末としての位置づけにスライドしつつある」ことを表しているといえる。かつての「長電話」「他愛も無いおしゃべり」は、ネットサービスでの時間つぶしやメール・メッセンジャーによる言葉の掛け合いにその地位を譲りつつある。

もちろんこれは、公共の場における携帯電話の「通話」が自粛されていることも一因。だがそれ以上に、メールやネットサービスの利用なら自分の声を出さずに使えるため相手に迷惑をかけにくい(=周囲を気にせず利用できる)というメリットがあるからなのだろう。

「携帯電話」という言葉が最近では単に「携帯」あるいは「ケータイ」と表現されるようになったのも、もしかすると無意識のうちに「電話」機能がメインからサブ・おまけ的なものになりつつあるということを皆が認識しているからなのかもしれない。

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