ノートパソコン利用者の9割が「仕事に役立つ」と認識

2007年07月23日 06:30

ノートパソコンイメージ【IT Pro】が7月20日に発表した仕事とノート・パソコンに関する調査結果の発表によると、ノートパソコンを仕事に用いている人の9割近くにあたる88.9%の人が「ノートパソコンは仕事に役立っている」と答えていることが明らかになった。企業や職種によってはノートパソコンの保有と仕事場以外での利用が必然とされる昨今、電車や喫茶店、ファストフードでもノートパソコンを持ち込んでタイピングをしている人の姿は日常茶飯事的なものになった。単にデータの処理やワープロ打ちのためにだけでなく、無線LAN環境を有効に用いている姿も多く見受けられる。利用者側としても「ノートパソコンが有益である」という認識で主流であることがあらためて証明されたことになる。

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今調査は日経BPコンサルティングが保有するモニターから抽出した400人に対して行われたもの。モニター抽出元の特徴から、それなりにIT系技術や経営分野に長けた人を対象としていると見なしてよいだろう。また、母体数がやや少なめであることもあわせ、世間全般の意見とは多少のぶれが生じている可能性を考慮する必要がある。

■出先でノートパソコンを
仕事のために使っている
……51.8%
■出先でのノートパソコンは
実際に仕事に役立つ
……88.9%

設問として「職場以外の家庭や外出先などで”仕事のために”ノートパソコンを使っているか」とたずねたところ、「はい」と答えた人は207人で、51.8%に相当する人がノートパソコンを出先で活用していることが分かった。モニターに経営上層部やコンサル系の人が多いからだろうが、過半数の人がノートパソコンを仕事に用い、出先まで持ち歩くと答えているのには少々驚きである。

さらにその207人に「職場以外でノートパソコンを使うことは、役に立っているか」とたずねたところ、88.9%の人が「役に立っている」と答えた。「役にたっていない」はわずかに2.4%、「どちらともいえない」は8.7%だった。

「役立っている」と答えた人に具体的にはノートパソコンで何をしているのかとたずねたところ「文書作成」「ウェブサイトへのアクセス」「会社の電子メールやグループウェアの利用」など、会社内での仕事をそのまま外出先に持ち出した利用方法がメインのようだ。気分を変えた、あるいは空いた時間を利用しての企画立案などを行うのだろうか。一方で「客先でのプレゼンテーションに使う」など、出先ならではのパソコンの利用スタイルを実践している人はまだ少ないという。

ノートパソコンイメージ冒頭で具体例を示したように、最近では無線LAN環境が充実し、喫茶店やファストフード、果ては駅構内でも高速でインターネットへアクセス可能な体制が整えられている。通信設定をしてあるノートパソコンなら、仕事場のデスクトップパソコン上のとほぼ同じ作業環境を整備することができる。単なる「ワープロマシン」としてだけでなく、インターネットが使えることでノートパソコンの可能性は飛躍的に増大したといえる。「仕事に役立つ」理由もそのほとんどが「インターネットを使える」ということが前提にあるのだろう。「役立っている理由」にもそれは如実に表れている。「文書作成」とて単独で作成するわけではなく、さまざまなデータを引用・参照する際にインターネットの利用は必要不可欠だからだ。

他方、「会社の環境をほぼそのまま外出先に持ち出せる」ということは、セキュリティの面では明らかにマイナスとなる。場合によっては「会社の環境」そのものが第三者の手に渡る可能性が生じるからだ。動作環境そのものをサーバーなどに集結させて各社員には記憶媒体を極端に制限した(無くした)シンクライアントに切り替えるところも出てくるほどだ(【参考:大和証券グループが、仮想PV型シンクライアントシステムを本格導入(7/6)】)。

便利さと安全性、この両面のせめぎあいを続けながら、仕事場以外でのノートパソコンの利用は増えてくるのだろう。もっとも仕事の時間とそれ以外のプライベートの時間の境目があいまいになり、24時間仕事をしっぱなしの気分にさせられるのは精神衛生上問題があるような気もするのだが……もっとも、それについて言及するのなら、まずは携帯電話をどうにかしなければならないか(笑)。

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