「子どもがケータイやネットに触れるとリスクがある」と考える大人は96%

2007年07月28日 12:00

親子でインターネットイメージ日経BPコンサルティングが7月27日発表した調査結果によると、大人の約96%が「子どもが携帯電話やインターネットに触れる(アクセスする)ことでリスクが生じる」と認識していることが明らかになった。利点が多い携帯電話やインターネットだが、諸刃の剣的な問題をほとんどの大人が感じていることがうかがえる(【該当ページ】)。

スポンサードリンク

今調査は7月12日から17日の間、ウェブ調査の形式で行われたもので、有効回答数は193件。回答年齢層は40~49歳がもっとも多く36.38%、ついで30~39歳が26.9%。回答数が比較的少ないため、世間一般の傾向とは多少のぶれが生じている可能性があることを考慮に入れる必要がある。

ほとんどの親は「ネットにリスクあり」と判断

携帯電話のリスクも結局そのほとんどは、インターネット経由(ウェブ・電子メール)によるものなので、事実上似たようなものだが、身近なアクセス端末という意味ではパソコンよりも携帯電話の方が上のように思える。そのそれぞれについて、インターネットにアクセスすることで子どもにリスクが生じるかとたずねたところ、両方とも「大いに思う」「ある程度は思う」をあわせた「大小はともかくリスクがあると考えている」大人は96%台に登っていることが明らかになった。

子どもが「携帯電話」でネットにアクセスすることにリスクがあると思うか
子どもが「携帯電話」でネットにアクセスすることにリスクがあると思うか
子どもが「パソコン」でネットにアクセスすることにリスクがあると思うか
子どもが「パソコン」でネットにアクセスすることにリスクがあると思うか

監視下における可能性が高いパソコンの方が「大いに思う」の割合が少なめだが、どちらにしてもほとんどの親が何らかの形で心配していることがうかがえる。もっとも、世間一般の常識などを持っているはずの大人ですら、携帯電話やパソコンでインターネットにアクセスすることでリスクは生じるのだから、ましてや子どもならと考えれば、この数字は当然といえよう。

具体的なリスクについては「問題のあるサイトに触れてしまう」「フィッシング詐欺などに巻き込まれる」「過大な通話料金の請求」「ウイルスの感染」など、インターネットの世界に触れる際に必要な常識や倫理、暗黙の了解のようなものを知らない(教えてもらっていない)がために発生しうるリスクが上位を占めている。

また、これまでには触れることの無かった新しい、そして便利で面白いメディアに遭遇することで「掲示板・ブログでの中傷(する・される)」など、行き過ぎた利用をしてしまうのではないかという不安もある。特に掲示板やブログを使ったコミュニケーション上の問題は、「学校の裏サイト」や「ブログでの友達へのいじめ」など、最近よく報道されていることもあり、大人としては今後心配の度合も高まるのではないかと思われる。

ネットの世界も「しつけは親が」。でも親はちゃんと知っているの?

それではインターネットの世界において守るべきことや倫理観、常識などの「正しい使い方のルール」について、誰が子どもに教えるべきかとたずねたところ、ほとんどの大人が「おもに家庭で保護者が教える」と回答した。その割合は8割を超えている。

携帯電話やパソコンでのインターネットの使い方のルールは誰が子どもに教えるべきか
携帯電話やパソコンでのインターネットの使い方のルールは誰が子どもに教えるべきか

「おもに学校で教師が教える」も11.9%あるが、大部分の大人は「保護者が家で教えるべき」と回答している。ご飯の食べ方や服の着かた、他人との接し方などごく基本的な社会生活を営むための常識・ルール同様、パソコンや携帯電話における使い方のルールも、一番身近な存在の保護者が教えるべきたという認識が主流ということなのだろう。


例えばブログの場合、ワープロソフトで文章が打てればホームページのようなスタイルで日記を掲載できるし、携帯電話があれば簡単に電子メールが打てサイトへもアクセスが可能となる。インターネットのサービスへのハードルが低くなり、「子どもでは難しくて利用できない」という免罪符・安全弁は通用しなくなりつつある。インターネットの世界では、相手が子どもだろうと大人だろうと分け隔てはしない。1アクセスユーザーとして扱われる。だからこそ、実対象が色々な意味で「柔(やわ)な」子どもだった場合、リスクも大きくなってしまう。

ハードルが低いことで、例えばノートを使った交換日記のような感覚でブログに日記を書いても、その内容は全世界に公開されているということを認識している子どもも案外少ない。便利であるがゆえのリスクもある、ということだ。

すでに学校教育課程ではパソコンの授業が導入され、使い方についての勉強も行われている。しかしインターネットがどのようなものか、どういった問題があるのかについてはまだまだ時間・注力不足の感が否めない。また家庭で子どもに教えるとしても、教える立場の親などが子どもに教えるだけの知識を持っているとは必ずしもいえないあたりも問題。

単に「危ないから携帯電話は禁止」では納得がいかないだろう。中途半端な指導ではかえってリスクも高まる。少なくとも携帯電話を買い与えたり、パソコンでインターネットを使う機会が出来たタイミングで、親子そろって「インターネットとは何か」「どういう使い方ができ、どのような問題があるのか」を学び、リスクについて考え、お互いに注意しあうような姿勢を採ることが必要ではないだろうか。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ