着信拒否、86%が経験済み・「非通知」は拒否が77%

2007年07月01日 12:00

モバイルイメージ【ネプロジャパン(9421)】は6月29日、携帯電話の着信拒否をテーマに行ったアンケートの内容を発表した。それによると携帯電話のユーザーの約9割にあたる86%が、メール・通話を含めた着信拒否を「したことがある」と回答していることが明らかになった。多くの人が「着信拒否機能」を知り、利用していることがわかる(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は携帯電話上の懸賞アンケートで行われたもので、実施期間は6月7日から8日。有効回答数は3916人で、男女比は42対58。年齢層は20代36%・30代44%と20~30代が多い。

着信拒否は86%、メールと通話の拒否双方利用は過半数

まず、「着信拒否をしたことがあるか」という問いをしたところ、「はい」と答えた人は86%に登った。一方で「いいえ」は13%。懸賞アンケートに答えるという、それなりに携帯電話には精通しているユーザーを対象にした調査にも関わらず「着信拒否を知らない」と答えた人も1%存在した。

現在携帯電話でやりとりができるのは、音声会話とメールがメイン。着信拒否ができるのもこの2つ。そこで「着信拒否」経験者にメールと通話のどちらをした経験があるかたずねたところ、「双方」が過半数の55%、「メールのみ」が11%、「通話のみ」が21%となった。通話の着信拒否は電話番号の表示・非表示などで、メールの場合はメールアドレスでの設定という形で、設定方法は別々。人によっては面倒くささを感じるかもしれない。それでも過半数の人は両方しっかりと機能を活用しているのが分かる。

■着信拒否設定の利用シーン
・非通知……77%
・その他……34%
・ストーカー(と思われる相手)……31%
・電話帳登録が無い……26%
・苦手な知り合い……25%
・公衆電話……16%
・別れた恋人……13%
など

それでは実際に着信拒否をしている場合、あるいはするとしたら、どんな場合にするのかを複数回答でたずねたところ、もっとも多かったのは「非通知」で77%を占めた。過半数を超えたのはこの「非通知」だけで、「非通知」電話がいかに嫌われているかが分かる。

メールでは非通知も何もないだろうから「非通知」を拒否するのは通話に限定されることになるが、それでも他の回答にダブルスコア以上で差をつけているのには驚き。一般の電話ではなくプライベート色が強く「ふところに飛び込んでくる」形となる携帯電話に、誰か分からない人からかかってくるのはやはり不安が募るに違いない。ランダムでかけてきた業者の可能性もあるが、「非通知」で通話を求めてきた相手には、何らかの「非通知にする理由がある(。そして身分を明かしたくないなど、何らかのいかがわしい理由に違いない)」と考えてしまうものだ。

一方、ビジネスマンなど一部には「非通知」は着信拒否、という手法が使えない人もいる。得意先の中に「うっかり非通知にしたままかけている人」もいるかもしれないからだ。非通知着信拒否にしてお得意様の電話を受け取れなかったら……というリスクを避けるためには仕方ないが、不便さを感じているには違いない。

また、「電話帳登録が無い」「公衆電話」など、身近な知り合い以外は着信を拒否する人も比較的多い。トランシーバーというと言い過ぎだが、自分が知って「誰かが分かる」人でないと相手をしないという回答は、やはり携帯電話がプライベート色の強いものだからだろう。

他方、「ストーカーと思われる相手」「苦手な知り合い」「別れた恋人」など、受信側の心理的な都合で着信拒否をしている人もそれなりにいる。「元々知り合いで恋人だったが別れてしまい、今はストーカーになった」という人が対象ならこの3条件はすべて満たすことになるが、考え直してみるとそういう状況もあながちあり得ないこともなく、深刻な問題であることが分かる。実際にこの3項目を足した数字を男女別に見てみると、男性は23%なのに対し女性は35%と女性の方がかなり多いことからも、男性から女性にこのような電話をかけている場合が多いことが想定される。

着信拒否リストは案外少なめ、10件以下が約6割

■着信拒否リスト件数
・0……29%
・1~2……26%
・3~4……16%
・5~6……9%
・7~10……7%
・11~20……6%
・21~30……3%
・31以上……4%

では実際、着信拒否リストには何件くらい登録があるのだろうか。この質問には、「0件」が29%いる一方、「1~2件」が26%、「3~4件」が16%、「5~6件」が9%など、意外にリスト登録数は少ないことが分かった。きりのよい10件以下で集計してみると、58%。「約6割の人が着信拒否リストは1~10件」ということになる。

メールならドメインやキャリア指定、通話なら非通知はまとめて、などのように広域でフレキシブルな設定ができるため、特定の対象からの着信を拒否する必要はあまりないのかもしれない。ただ、31件以上もの着信拒否をしている人も4%おり、色々と大変な状況にあることが分かる。

ちなみに職業別で見た場合、リスト件数がもっとも少ないのは「定年退職者」。「31件以上」が最多の13%を記録しているのは「管理職」。退職してしまうと人とのつながり自身が薄くなるため、リストもほとんど必要なくなる、ということなのだろうか。


携帯電話は普通の電話やパソコン上でのメール受信と異なり、言葉通り「自分のフトコロ」に飛び込んでくるものであるため、相手が誰であるかを一層気にしてしまうもの。一般電話の番号やパソコン上のメールアドレスは公開しても、携帯電話番号や携帯メールアドレスは公開しない人が多いこともその心理状態の現れの一つといえる。

着信拒否はいわば「自分の身近に近寄らないで」という緩やかな拒否反応に他ならない。相手が誰か分からなかったり、イヤな相手なら、そのような反応をしても当然といえるだろう。

一方でアンケートのデータからは具体的な意見として「折角拒否をしたのに相手が携帯を買い換えてさらに連絡をしてきた」「拒否したのがばれて嫌がらせを受けた」という話や、「着信拒否をしていることが相手に分からない機能が欲しい」など、いたちごっこ的な話もある。これらはウェブサイトやブログ上でのスパマーや「困ったちゃん的な来訪者」との争い(IPブロックやドメイン拒否など)と似通っているのが分かる。メディアが変わろうとも同じような問題は発生しうるもの、ということだろうか。

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