国内政治情勢への懸念が広がる…野村證券(8604)、2007年6月計測分の個人投資家動向を発表
2007年07月08日 12:00
【野村證券(8604)】の金融経済研究所は7月5日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2007年7月発表分、PDF】)。
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今調査は1000件を対象に6月22日に行われたもので、男女比は65.7対34.3。年齢層は30歳代がもっとも多く32.4%、ついで40歳代が28.2%、50歳代が19.3%。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く22.8%、ついで200万円~500万円が21.9%、200万円未満が21.1%と続いている。先月から引き続き保有金融資産の層が分散化している傾向が見られる。
1銘柄あたりの保有期間は1年から2年未満がもっとも多く20.3%を占めている。次いで2年から5年未満が19.8%、6か月から1年未満が18.7%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く49.0%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が23.3%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わらない。先月よりやや利益成長への訴求が増えたところか。
詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には
・投資指数は低下。
・株式取引マインドは回復傾向。だが力強さは無い。
・国内政治情勢への懸念が広がる。
・魅力的な業種は「素材関係」「電機、精密」「機械、造船、重機」。「素材関係」は5か月連続。
・三角合併で外国株式を取得することになった場合、「基本的に売却」と考えている人は少なめ。
という形に。
気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、先月から引き続きトップや第二位は変化がないものの、それ以下の銘柄は微妙な上下があった。5位より下の銘柄を眺めると、重厚長大的な企業に注目が集まっているように見える。
1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……【ソニー(6758)】
3位……【新日本製鉄(5401)】
4位……[ソフトバンク(9984)]
5位……【キヤノン(7751)】
上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることであり、それだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。トヨタやソニーが連続して上位を占めているということはそれだけ注目と買いが集まっていることでもあるのだろう。また、素材関係の代表格【新日鉄(5401)】が第三位に躍進し、【三菱重工業(7011)】も第八位にその位置を留めている。安心して持ち続けられる安定銘柄として認識されているのだろうか。
日経平均は1万8000円台で安定しているものの、政治動向や為替、資源問題などの諸問題という変動要素に加え、新興銘柄における市場への不信感はいまだ修復過程にある。大型安定銘柄への資金集中はこれからも続くだろう。金融商品取引法の施行を間近に控え、各上場企業がどのような動き、そして値動きをしていくのか、今後の動向に注目する必要があるだろう。
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