シニア層の6割はネットショッピングを活用、9割強が「ネットは生活に必要不可欠」
2007年07月31日 12:30
シニア(壮齢者)の市場調査を行うシニアコミュニケーションが7月27日に発表した調査結果によると、50代以上のシニア層で半数以上がインターネットショッピングを楽しんでおり、また全体の95%が「インターネットは情報通信手段として欠かせないもの」と認識していることが明らかになった。利用メディアが定義されていないのでパソコン経由が携帯電話経由かは不明だが、インターネットそのものがシニア層にも深く浸透し、欠かせないインフラとしての立場を確実に確立しつつある状況が確認できる調査結果となった(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は今年の7月、インターネットを利用している50歳以上の男女1066人(男性618人、女性448人)に対して行われたもの。電話調査でなく、すでにインターネットを利用している人が対象なことに注意する必要がある。また、実調査は50代と60代以降をそれぞれ男女別として、4階層にわけて調査している。
●インターネットは消費行動ツールや情報の引き出しとして積極活用
「ショッピング」
「旅行・宿泊施設の予約」
「地図の検索」
「交通機関の時刻表や乗換えの検索」
特にネットショッピングは6割近くが活用
まず「インターネットを利用して行っていることは」という問いには各階層ごとに多少の違いはあるが、「ショッピング」「旅行・宿泊施設の予約」「地図の検索」「交通機関の時刻表や乗換えの検索」などが上位を占めている。特に50代男性の59%、50代女性の53%は「ネットショッピング」、50代男女とも「旅行・宿泊施設の予約」は52%など、消費行動のツールとして積極的にインターネットを利用していることがわかる。
また、「レストランやグルメ情報の検索」「料理レシピの検索」「クーポン・割引情報の検索」など、身近な家事などに関するお得情報では、年齢層に関わらず男性よりも女性の方が多く活用している傾向が見られる。
一方、そのインターネットが無くなったら困ることを尋ねたところ、「交通機関の時刻表や乗換えの検索」「地図の検索」など、検索機能が使えないことへの不安を覚える回答が多かった。「銀行などの口座取引」「旅行・宿泊施設の予約」なども上位項目にあるが、やはりインターネット上の情報全体を自分の知識の引き出しとして考え、検索でその引き出しを引っ張り出す「インターネットの検索活用」を重要視していることが分かる。
●もはやインターネットは必要不可欠なもの
それではそのインターネットは、情報や通信手段としてなくてはならないものかどうかとたずねたところ、すべての年齢層において6割前後の割合で「非常にそう思う」という回答が得られた。
インターネットは情報や通信手段としてなくてはならないものか
「そう思う」という意見も加えると、実に全階層で9割以上が「必要だと思う」と答えていることになる。比較対象設問がないのが残念だが、恐らくは電話やテレビ、電気や水道などといったインフラと同レベルの認知がされているのだろう。
逆に、インターネットを活用することで買わなくなったものを聞いたところ、「交通機関の時刻表・路線図」がもっとも多く過半数を占め、「地図」「雑誌」「辞書」「はがきや便箋(びんせん)」などが上位についた。いずれもインターネットを用いて実際に活用している(特に検索機能で)項目であり、代替品としてインターネットが上手に使われていることを表す一面ともいえよう。
インターネットの普及で買わなくなったもの
その一方「雑誌」や「書籍」なども上位にあるが、これは(雑誌そのものがまるごとネット上にアップロードされていることは無いので)雑誌や書籍を読まなくともネット上にもっと興味深い文章などがある、という認識だと推測される。その理由ならむしろ「新聞」の方が上位にきそうだが意外にも9%しか「インターネットで代用が効くので要らない」とは答えていない。紙媒体としての新聞にはそれなりの良さがある、ということなのだろう。
今調査は「インターネットを利用しているシニア層」が前提なので、ネットを使っていない層も含めた「シニア層全体」の意見ではない。また、冒頭で説明したが「インターネット」としか説明されていないので、携帯電話によるものかパソコンを使ったものかの判断もできない。あくまでも一部のシニア層の意見・調査結果、およびその分析と見るべきだ。
それでも(ネットを使う)シニア層の6割もがインターネットショッピングをたしなんでいる結果には驚きを感じざるを得ないが、同時に「なるほど」と納得させられるデータでもあった。以前[楽天(4755)]の三木谷社長が週刊誌で叩かれた記事を掲載した(【週刊新潮にて「水面下で捜査が進む 楽天・三木谷社長の『Xデー』」特集記事】)際、複数の読者から「地方に住む私にとって、楽天市場の存在は今や欠かせないものになった。色々あるだろうが楽天にはがんばってほしい」という意見のような励ましのようなメールをいただいたからだ(ちなみに当方は楽天の関係者でなければ株主でもないので、励まされても困ってしまうものが)。
そのとき考えたのは、「楽天市場に限らずネット通販を使いこなせば、昔と違って遠隔地でも買い物に困る事は無いだろうな」ということ。【少々割高でも便利、「ネットスーパーを使いたい」6割近くとの調査結果】でも触れたが、当方もかつて病に苦しみほとんど身動きが取れなかった際、【西友ネットスーパー】には大変お世話になったものだ。
時間と距離を飛び越えて利用できる便利なツール、インターネット。今後より多くのシニア層にも愛されることになるだろう。高齢化社会を迎えることを考えると、Wiiのような簡単に接続・使用できる端末の活用や、分かりやすいインターフェイス、そしてその層向けのコンテンツへのニーズが増えてくるのだろう。
(最終更新:2013/08/20)
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