【更新】6月度の外食産業の売り上げは前年同月比でプラス7.9%・来客数の増加が主要因
2007年07月25日 06:30
日本フードサービス協会は7月24日、協会会員会社を対象とした外食産業の市場動向調査における2007年6月度の調査結果を発表した。それによると総合売り上げは前年同月比でプラス7.9%となり大幅にアップしたことが明らかになった。休日が多かったことや天候が良かったことが売り上げアップに貢献したと協会側では分析している([発表リリース])。
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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われたもので、対象数は事業者数が140、店舗数は26882店舗(既存店はそれぞれ135、22875)。
全業態すべてを合わせた6月度売り上げ状況は、前年同月比で107.9%と前年を8%近く上回る結果となり、特にファストフード業態の伸長が著しい。客単価は全体で98.5%とやや下回る結果となっているがその低下を客数の大幅増加(109.6%)で補っている。これは前年同月に比べて土曜日が一日多かったことや、梅雨の季節において雨が少なかったことがお客の数の増加に結びついたとしている。
全店データ(既存店、新店合わせて)
既存店のみで集計しても売上高は前年同月比で104.6%、客単価は97.4%となり、ほぼ似たような傾向を示している。
全体的なデータを見た限りではやはりファストフード、特に和風ファストフードの売上高の伸びが126.0%と大きく他を引き離しているのが目に留まる。この項目に限定すれば客単価も101.6%とわずかながら増え、客数の124.0%と相まって売上高を大きく押し上げている。
客単価の下落は避けられない?
いかに客数を増やし、
客単価を維持・かさ上げするか
アイディアが求められる
先にスーパーやデパート、コンビニの6月度における売り上げ(や客単価)のデータが報告され、これで小売業の販売データが一通り揃ったことになる。すべてのデータにおいて客単価が下がっている傾向があるのは非常に気になるが、これが「物価全体が下落しているデフレ現象」を意味しているのか、それとも単純に消費者のサイフのヒモが堅くなったからなのかまでは断定できない。
一方、コンビニやデパートなどが客数が増加しても売り上げの低下をカバーできなかったのに対し、今回の外食産業では大幅な客数の増加で客単価の下落をまかない、売上高の増加を果たすことができたという事実がある。価格競争による商品単価の下落や消費者の節約スタイルの浸透など、今後も客単価の下落傾向に歯止めが効かない可能性が高いことを想定すると、各小売業界においては今後、「どうやってお客数を増やして客単価の下落をカバーするのか」を一義的に考えると共に、「客単価を高めるにはどのようなサービスを提供すれば良いのか」も検討する必要があるのだろう。
(最終更新:2013/08/20)
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