モバイルショッピングをする人の43.3%は事前に何を買うかを決めている
2007年07月31日 08:00
【Webマーケティングガイド】が7月30日に発表した調査結果によると、携帯電話を使ったオンラインにおいて、「すでに決まっている商品を購入するケース」が43.4%と半数近くを占めていることが明らかになった。明確な目的意識を持ってモバイル通販を利用していることがうかがえる(【発表リリース】)。
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今調査の調査期間は7月13日から16日、調査対象は300人で、18歳から49歳の男女。年齢構成比は30代がもっとも多く41.0%、ついで20代が29.0%。携帯電話メーカー比はドコモが54.7%、auが35.3%、ソフトバンクが10.0%。調査母数が少なめのため、世間の実情とはぶれた結果が出ていることを考慮する必要がある。
調査対象の中から実際にモバイルオンラインショッピング(携帯電話でのネット通販)経験者104人に対し、どのような時に利用する場合が多いのかをたずねたところ、「すでに決まっている商品を購入するケース」が43.3%ともっとも多い回答となった。
モバイルオンラインショッピング、オークションを利用する場合はどのようなケースが多いか
モバイルオンラインショッピング、オークションを利用する場合はどのようなケースが多いか
4割がモバイル端末に触れる時点で「これを買おう」と決めているが、逆に考えれば残りの6割近くは何らか形で広告やサイトに誘導されて商品購入を決めていることになる。パソコンと比べて表現力に劣るモバイル端末(携帯電話)で、いかにユーザーを「その気にさせる」かがポイントになるに違いない。
特に「決まっている商品を購入」「定期的にショッピングサイトを見ていて気に入ったものを購入」「メルマガで興味を持って購入」が「決まっている商品を購入」以外で多数を占めていることは、モバイル分野における商品購入までの誘導がそれなりにうまく行われていることが類推できるデータともいえる。
とりわけ「ショッピングサイト」は【ケータイでモバイルショッピングサイトをよくチェックする人は49.6%】にもあるように、コミュニティとしての役割も持ち始めている。ショッピングサイトを単なるお買物の窓口としてだけでなく、コミュニティの場、そして流行の選択をチェックする情報ターミナルとして用いているモバイル層にとって、ショッピングサイトでの買物はごく当たり前のことなのだろう。
では具体的に買物を行う「モバイルショッピングサイト」を選ぶ基準はどこにあるのか、とたずねたところ、「有名なサイト・会社」がもっとも回答数が多く、次いで「代引き決済が可能」となった。
モバイルショッピングサイトを選ぶ基準
「有名なサイト・会社」「代引き決済が可能」の2項目のみが4割を超しており、価格比較や個人情報管理の問題よりも多くの人が「サイトを選ぶ際に参考にしている」と答えている。特に「有名なサイト・会社」が多いのは、「有名なサイトや会社なら信頼性が高く、ならば個人情報管理もしっかりしているのだろう」という、他の項目も内包することが期待できるからだと思われる。
また、パソコンでのオンラインショッピングでは欠かせない「価格比較」を答えた人がそれほど多くない。これは、モバイル端末そのものの事情(表示面積が小さく、マルチブラウザなどで複数の画面を表示できない)があるからだと思われる。実際、携帯電話で複数の商品を表示するショッピングサイトはあまり見たことがない。むろし一つの商品の表示画像を大きくし、より細部を見せようとするだろう。
モバイル端末によるショッピングは、パソコンと比べると「比較がしにくい」ので熟考する環境が整備しにくい代わりに、いつでもどこでもすぐにでも注文が可能なので即効性が高い。例えばソファーに横たわりながらアンニュイお昼時を過ごしつつ、リモコンで選んだお気に入りのテレビ番組を何気なく視聴。司会者が実際に胸元につけて紹介していた新デザインのペンダントが気になり、手元にあった携帯電話からブックマークを選択してその番組の公式サイトにジャンプ。紹介ページで写真を確認して「素敵よね」と思い、その場で注文……という購入スタイルも十分に考えられる。この場合、テレビで見た時点で「あのペンダントが欲しい!」という思いから携帯電話をチェックしたので「決まっている商品を購入」に含まれることになる。
「手に入れたい、買いたい」という衝動が醒めぬうちに「注文ボタン」を押させるのがポイントという観点からすれば、手軽で場所を選ばないモバイルオンラインショッピングはパソコンのショッピングと比べても遜色ないどころか優位性も持つツールといえる。
もちろんパソコンとモバイルでは事情が異なる部分も多い。パソコンの常識がモバイルでは通用しないこともあるだろう。利用する側も提供する側も、それぞれモバイルの特性を十分に認識して活用・運用する必要があるに違いない。
(最終更新:2013/08/20)
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