フィルタリングサービスの利用はパソコン・携帯ともに1割未満
2007年07月30日 06:30
日経BPコンサルティングが7月27日発表した調査結果によると、小学生や中学生を持つ親のうち、子どものアクセスに対して問題のあるサイトなどを自動的にブロックする機能を持つ「フィルタリングサービス(ソフト)」を利用している人は1割にも満たないことが明らかになった。子どもがネットにアクセスすることにリスクがあると判断しているにも関わらず、有効な手立ての一つである「フィルタリングサービス(ソフト)」はまだ普及度が低い現実が浮き彫りにされている(【該当ページ】)
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今調査は7月12日から17日の間、ウェブ調査の形式で行われたもので、有効回答数は193件。回答年齢層は40~49歳がもっとも多く36.38%、ついで30~39歳が26.9%。回答数が比較的少ないため、世間一般の傾向とは多少のぶれが生じている可能性があることを考慮に入れる必要がある。今調査ではすでに【「子どもがケータイやネットに触れるとリスクがある」と考える大人は96%】にもあるように、子どもを持つ親のほとんどが「子どもがネットにアクセスすると何らかの形でリスクが生じる」と考えていることが明らかになっている。そして今件ではさらに、この中から実際に小中学生を子どもにもつ親に限定して回答を求めている。
親から見れば「子どもがネットで何をしているか」は8割近く(「よく知っている」と「だいたい知っている」を合わせて)が知っていると答えており、事実かどうかは別として、「子どもがネットでどんなところにアクセスしているか」は親側でも把握しているようだ。
そして親の立場から、子どもが具体的にネットで何をしているかという推測については「検索エンジンを利用して色々なサイトの閲覧」「オンラインゲーム」「メール」などが上位を占めている。検索エンジンにもそれなりのフィルタ機能はあるが、子ども向けではないため、親から見れば「よろしくない」サイトを検索してしまう可能性は十分にある。また、親が想定していない使い方をすることで、もっと「よろしくない」状況になることも考えられる。
もちろん「把握している」「具体的にどのようなものを見ているか」については、親の分かる範囲でしかない。パソコンならともかく携帯電話ではアクセス履歴はチェックしにくい。携帯電話の性能が良くなって、パソコンに近い閲覧ができるようになると、親の把握範囲は当然のことながら少なくなる。心配も募るに違いない。
そこで当サイトでも何度か紹介している、ユーザー(主に親)の設定でアクセス制限をかけることができる「フィルタリングサービス(ソフト)」についてたずねたところ、意外な結果が出た。
携帯電話経由のインターネットアクセス用のフィルタリング・サービスやソフトがあるのを知っているか
パソコン経由のインターネットアクセス用のフィルタリング・サービスやソフトがあるのを知っているか
携帯電話・パソコン共に8割前後が知っているものの、そのうち使っている人は1割にも満たない、全体に占める割合でも携帯電話で5.7%、パソコンでも7.3%でしかないことが明らかになった。
知らない人が2割前後いるのも気になるが、これは今後啓蒙していけば済むこと。「子どものアクセスにはリスクがある」と知っているのに「フィルタリングサービスを知っているが使わない」が7割強もいるのはどうしてだろうか。やはり直前の回答にもあるように「子どものアクセス状況は大体把握しているから、わざわざソフトやサービスを導入してまで監視制限することもない」と安心しているのだろうか。
具体的な意見からはその心情を察するものはほとんど見つからなかった。ただ一つ、「フィルタリングサービスやソフトは過剰すぎて使えるレベルにはない」という意見があるのが気になった。現状では「子どもの監視に自信がある」のと共に、「サービスやソフトが有効に使えない」(対価を払ってまで使うほどのレベルに達していない)という心境が保護者の間に支配しているのだろう。
最近のフィルタサービスの中には、一定期間を無料で利用でき、その後「使い心地がよければ有料サービスに移行してくださいね」というお試し期間が用意されているのもある。対価を支払うまでもないかどうかは、無料でトライしてみるのもありだろう。何せ「タダ」なのだから。
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(最終更新:2013/08/20)
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