液晶モニタの販売実績回復中・主力は19インチから22インチへ
2007年07月24日 19:30
IT情報を中心に情報配信を行うBNCは7月23日、今年1月から6月までの液晶ディスプレイ(LCD)の販売動向を発表した。それによると今年に入ってから前年同月比でマイナスを続けていたLCDの販売台数・金額共に6月はプラスに転じたことが明らかになった。レポートではデスクトップパソコンのLCD別売りモデルが増え、結果としてLCDを別途購入した人が増えたことがその理由と推測している(【発表リリース、PDF】)。
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今調査はLCD主要17社のデータを使用したもので、該当店舗は記述されていない。ただBCNではアマゾン ジャパン、アロシステム、エイデン、大塚商会、ギガスケーズデンキ、グッドウィル、サードウェーブ、さくらや、上新電機、ストリーム、ソフマップ、ZOA、九十九電機、T・ZONEストラテジィ、デオデオ、100満ボルト、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、ベスト電器、ミドリ電化、ムラウチ、ラオックスの22社のデータを元にランキングを作成しており、この22社中に17社すべてが含まれていると思われる。
LCDの販売台数・金額共に今年は当初から前年同月比マイナスで推移していた。同時に計測されている「デスクトップパソコンにおけるLCD別売りモデルの割合」と比べてみると、後者が上昇する、すなわち「LCDを別途購入する必要のあるユーザーが増える」とLCDの販売台数・金額も増える傾向にある(一部例外もあるが)。そして6月は今年に入ってから初めて別売り比率が3割を超え、それと共にLCDの販売台数と販売金額が共に前年同月比プラスに転じている。
2007年の月別LCD販売動向
リリースではこの他にも「テレビ機能やスピーカーの内蔵などLCDの形状と機能の推移」「主要3タイプのLCDすべてにおいて漸次値下がり傾向にあり、22インチですら4万円を切る価格帯に突入している」「全体としては三菱電機のシェアが強いが主要の19インチに限定するとIOデータ機器がずば抜けた強さを誇っている」など、LCDについてさまざまな興味深いデータが掲載されている。
中でも注目したいのが「インチ別台数分布」。
インチ別台数分布
機能の集約化・シンプル化による価格下落も後押しをする形で、LCDも大型モデルの普及が進みつつある。パソコン本体とのセット販売では17インチモデルが主流だが、単品のLCDでは2月に17インチと19インチの割合が逆転し、17・19・22インチの3モデル間では19インチが主流を占めるようになっている。さらに5月以降はその19インチですら上昇に歯止めがかかり、その分22インチが急速に伸びていることを見ると、ここ半年の間に「17インチ→19インチ→22インチ」という世代交代が加速度的に進展しているようすが想像できる。各モデルのLCDの価格が下がれば、さらにこの流れはスピーディーなものとなるだろう。
数十キロの重さを持ち机の重量制限を気にしなければならないブラウン管型モニタ(CRTモニタ)と違い、液晶モニタには重量をさほど気にしなくても良い、消費電力が少ないなど利用上のメリットが多い。色々な理由でCRTモニタを使い続ける人も多いが、ここまで価格に差が開いてくると、メリットがデメリットを凌駕してしまうともいえよう。【2007年以降、CRTモニターの日本国内需要はゼロに!? 業界団体予想】でも報じたように、今年以降「計算上は」CRTモニターの需要がゼロになるという予想が出てしまうのもうなづける話ではある。
(最終更新:2013/08/20)
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