ネット上で大正時代の図書1万5700冊を追加提供開始

2007年07月03日 12:30

書籍イメージ【国立国会図書館】では本日7月3日から、大正時代の図書約1万5700冊を公式サイトの【近代デジタルライブラリー】に追加した。明治時代の書籍と合わせると約14万3000冊の書籍が納められていることになる。

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国立国会図書館というと「書籍は何でも揃う、本好き人間にとっては桃源郷な場所」として有名だが、この桃源郷をネット上に展開し、誰でもいつでもどこからでもアクセスできるようにしようというのが「近代デジタルライブラリー」などの電子図書館サービス。「近代デジタルライブラリー」では特に、所蔵する明治時代以降の図書を、著作権処理を行ったうえで電子化し、提供していく。

今回追加された資料は、大正時代に刊行された図書のうち、著作権保護期間の満了が確認された資料など約7200タイトル(約1万5700冊)。これは国立国会図書館が所蔵する大正時代に刊行された図書(約9万冊)の約17%にあたるという。また、資料の一覧は「近代デジタルライブラリー」トップ画面からたどれるファイル(CSV形式)(【こちら】)でダウンロードできる。

また今回大正時代のデータを追加するにあたり、すでに登録されている明治期の写真帖の一部について、白黒の濃淡を細かく表現できるグレースケール画像に更新している。

登録されている書籍については著者や出版社、件名などで検索できるほかに、分類検索(NDC分類)、複数条件による詳細検索などが行える。あらかじめ目的となる書籍や対象(人)物、対象項目、事象が分かっている場合には、検索機能を用いて該当する書籍を探してみよう。

収録書籍はCSVファイルでダウンロードできるので、まずはこちらを手元におき、内容をチェックした上で対象となる書籍を選択するのも良い。データの並び替えなどもできることを考えると、こちらの方が使いやすいという人も多いはずだ。

該当収録されたデータが取り扱っている大正という時代は、明治維新でどたばたした混迷期からようやく立ち直り、近代国家としての道を歩み始め、「大正デモクラシー」の言葉に代表されるような文化が花開きつつも経済・政治的には迷走を続け、昭和の戦争期に進む過渡期にある。文化的書籍や法律論、統計データなど、当時の日本を知ることができる非常に価値のある書籍が数多く納められている。

株式関係に限ってみても各企業の書籍以外に「日本帝国株式取引所一斑」「株式年鑑」「株式要覧」など気になるものもいくつか見受けられる(個人的には「南満州鉄道」関係の書籍が多いのが気になったが)。

当時の統計データを生データとして調べられるという観点でも非常に注目できるこの「近代デジタルライブラリー」、今すぐに使う機会はなくとも記憶にとどめておき、何かあれば積極的に活用するべきだろう。

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