イギリスで流行の戦闘機組み立てキット、1機2500万円。実際に空も飛べます
2007年07月14日 12:00
【Daily Mail】によると現在イギリスで、第二次世界大戦中に活躍したイギリス製の戦闘機「スピットファイア(Spitfire)」のほぼ原寸大組み立てモデルが注目を集めているという。この「組み立てセット」は本物の機体の90%ほどの大きさだが、実際にエンジンも稼動し、(航空免許や飛行許可があれば)空を駆ることも可能。気になるお値段は1機10万ポンド(約2500万円)。収納用として車2台分ほどのガレージも必要とのこと。
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スピットファイアは第二次世界大戦当時、イギリスとドイツがドーバー海峡をはさんで激しい航空戦を繰り広げた「バトル・オブ・ブリテン」において、ハリケーン戦闘機同様にイギリス航空隊のシンボルとして大活躍し、イギリスを守った立役者として知られている。それだけに、イギリス人にとって(日本人が零戦をこよなく愛するように)愛すべき対象となる機体でもある。
元記事で紹介されているスピットファイア(Supermarine Aircraft Mk26Spitfire)の組み立てモデルは実機の90%スケールのもの。主要部品はアルミニウム製(これも実機と同じ)で、組み立てるまでに1200時間とさらに3万ポンド(750万円)ほどの経費を必要とする。
エンジンはGMのV6エンジン。最大222mph(時速360キロ)で空を舞い、1万8000フィート(5500メートル)の高度まで上がれるという。
バトル・オブ・ブリテンの場となったドーバー海峡を舞う、スピットファイアのちょいミニモデル。
組み立てセットはすでに700時間工程分が組み立てられてられ、主要部品が形成されている状態で顧客に提供される。しかし部品そのものをすべて組み立てて完成させるまでに、さらに2年ほどもかかる。
元記事ではスピットファイアのファンの一人で実際にセットを購入して組み立て中のKeiran Padden氏のインタビューが写真と共に掲載されている。氏いわく
「こいつは最高だよ(The aircraft is superb)」
「飛ぶのは簡単だよ。自分と同じ年代の人たちはオリジナルのスピットファイアが好きで良く話しているが、こいつはより軽く、しかも同等の性能の俊敏さを持っているんだ」
「メーカーはエンジン音まで再現してくれた。この音を聴くたびに、自分の後ろ髪は逆立ち、興奮してしまうんだ」
とのこと。
製作中のスピットファイアとKeiran Padden氏
なおこのスピットファイアモデル、すでにイギリス国内だけで22機分が販売されている。
日本よりは飛行場は多く存在するだろうし、大戦中に活躍したパイロットもまだ存命の人が多くいるだろうことを考えても、数千万円の大戦中の実働スケールモデル戦闘機がイギリスだけで20機以上も売れるとは、驚きを隠しえない……と思ったが、仮に日本で同等の零戦のセットが販売されたらどうだろうか、ということを考えると「そう不思議なことではないのかもな」と納得してしまう。
なお元記事では購入元がどこかは記載されていないが、どうやらこのサイト【Supermarine Aricraft】(オーストラリアの会社)が正解のようだ。そこには全世界で購入され組み立てられ、空を舞うスピットファイアのようすが写真として掲載されている(【たとえばこのページ】)。スピットファイアが好きな飛行機野郎は全世界にいるようである。
同社サイトに掲載されていたスピットファイア。
ちなみに当然のことながら、武装は一切されていない。一応、念のため(笑)。
※レートについて再計算し、日本円の価格を3200万円→2500万円に修正しました。
(c)2007 Associated Newspapers Ltd.
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