「サインはY!」? ソフトバンクモバイル端末の「Y!ボタン」に関する利用実態調査まとまる

2007年06月08日 12:30

「Y!ボタン」イメージ【Webマーケティング】では6月6日、【ソフトバンクモバイル(9984)】端末の特徴の一つである「Y!ボタン」に関する調査結果を発表した。それによると「Y!ボタン」は一定の認知がされつつあるものの、一部にはまだ浸透していないことや、意図通り「検索に積極的になる」人が4割近くいることが明らかになった(【発表リリース】)。

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今調査は16歳から49歳のソフトバンクモバイルユーザー300人に対して行ったもので男女比は1対1。母数が少なめなので結果には多少のぶれが生じる可能性があることを認識した上でデータを見る必要がある。

半数近くが「よく使う」一方で1/3は「全然使わない」

ソフトバンクモバイル特有の機能である、ボタン一発でヤフー検索(利用料金は無料)に移動できる「Y!ボタン」だが、そのY!ボタンが設置されている端末を持っている人は217人だった(ソフトバンクモバイル全体で7割が「Y!ボタン」付ということになる)。その人たちにどれくらいの頻度で使っているかを尋ねたところ、もっとも多かったのは「1日に数回以上」で31.3%を占めた。

Y!ボタンの使用頻度。
Y!ボタンの使用頻度。

1日に1回程度使っている人の14.7%と合わせると、「1日に1回以上Y!ボタンを使う人」の割合は半数近くにのぼることが分かる。

しかしその一方、「まったく利用したことがない」人が12.0%もいるのをはじめ、「数週間に一度」や「一か月に一回」など、事実上まったく使わない人・ほとんど使わない人も1/3~1/4程度いることが分かる。これが「検索は使うがY!ボタンは使わない」のか、「Y!ボタンもあわせ検索そのものを使うことがない」からなのかはこのデータからだけでは分からないのが残念。

どちらにしても「Y!ボタンがあるのにほとんど使わない人が全体の1/3~1/4存在する」という事実が存在するのには違いない。


「Y!ボタン」はケータイライフに変化を与えている!?

ではソフトバンクモバイル(旧ボーダフォン)に「一押しで検索直行」という、携帯電話の利用スタイルを微妙に変化させるボタンがついたことで、携帯電話上から利用するインターネットへのアクセス方法や検索の利用に変化があったかどうかについてたずねたところ、4割近くが「ネット利用や検索の機会が増えた」と答えている。

「Y!ボタン」でネットや検索の利用に変化があったか。
「Y!ボタン」でネットや検索の利用に変化があったか。

「Y!ボタンがきっかけで初めて利用した」と答えた人が6.8%いるのでこれも合わせると実に半数近くが「Y!ボタンで検索やネット利用の機会が何らかの形で増えた」ことになる。ボタン一つでここまでネット利用はともかく「Y!ボタン」という、特定サービスへの利用が増えたことは、ソフトバンク(モバイル)からみても相当なメリットとなるだろう。

「Y!ボタン」で
46.6%の人が
ネットや検索を
今まで以上に使うように


単に対象ページ「Yahoo!モバイル」の商品価値・利用者数が増えるのはもちろんだが、検索をしてもらって色々なサイトにアクセスしてもらうことで、携帯電話への陶酔度が高まり、「携帯(ソフトバンクモバイル)って便利なのだな」と利用者が感じることで、顧客ロイヤリティが上昇することも期待できるからだ。

とりわけ「今までネットや検索に興味がなかった層」を取り込むことが出来たのは大きな成果といえる。

少なくともマイナスとなる「利用が減った」は2.6%に過ぎず、「あまり変化はない」と答えた50.8%は元々ヤフーなどの検索エンジンを巧みに使いこなしているか、検索サイトそのものに興味がないことが推測される。この層を「Y!ボタン」だけで顧客ロイヤリティをプラスするのは難しいと思われる。


投入当初は「強引過ぎる」「使う人などいない」「ダサい」と否定的な意見ばかりが耳に留まった「Y!ボタン」。だがこのように実際の利用者の意見をまとめると、「悪くても現状維持、良いと携帯電話そのものやヤフーにとってプラス」という結果が出たことからも分かるように、戦略的には成功だったことがわかる(もっとも経営的には「Y!ボタンがダサいのでソフトバンクモバイルはパス」と考えた人もいるかもしれないが、無視できる範囲だろう)。

そして携帯電話ユーザーに「検索することの有意義性」を少しでも教え広めた効果は大きい。ソフトバンクやその関連会社にも、ユーザーにもプラスとなる(定額制を導入しておけば「使用料の増加」というユーザーへのマイナス要素もなくなる)。今後、少しずつだがじわじわと、そして確実に「Y!ボタン」効果が他の事象にも影響を与えてくることだろう。

例えばソフトバンクモバイルを利用したユーザーがパソコンに触れた時、検索エンジンに「いつも使い慣れている」ヤフーをよく利用するようになる……といった具合だ。生活密着度の高い携帯で利用頻度を高めるということは、それだけ様々な波及効果を期待できるのである。

一年後に是非とも同様のアンケートを行い、今回半数以上が「あまり変化はない」・1/3前後が「ほとんど使わない」という結果だったのに対し、どこまで浸透度が進んだかを調べて今回と比較してほしいものだ。そして「Y!ボタンの利用で検索やネットの利用が増えた以外にどんな変化が見られたか」についても自由回答などの形で聞いてほしいものである。

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