今調査は6月6日から7日の間にネット上で行われたもので、有効回答数は1036名。動画共有サイトについては【YouTube】に限定している。

動画サイトには大きく有料・無料の二タイプが存在するが、無料サイトの認知度は9割近く、利用経験者も7割を占めている。一方で、有料サイトは8割以上が知っているものの、利用した経験のある人は1割強に過ぎなかった。「Youtube」に限定すると認知度は7割程度だが利用経験のある人は約半数に登ったという。また、若年層ほど受け入れられやすい傾向にある。

最近ではポータルサイトやコンテンツホルダー系のサイトが定額制を中心に、CATVのように有料で動画を配信する機会が増えている。しかしやはり「ネット上の情報は無料が基本」「よほどの情報でない限り、テキストでも動画でもお金を出してまで利用するものでもない」「支払が面倒くさい」などの理由から、有料動画に挑戦する人は少ないようだ。

また「Youtube」に限れば、一度の閲覧時間は平均で5～15分程度と他の有料・無料動画サイトの30～1時間という時間より短く、ニュースなど他のネット上のコンテンツに合わせて紹介された動画を見るという利用スタイルが想像される。

●動画サイトの利用タイミングは有料・無料で大きく異なる

動画サイトにアクセスするタイミングは、有料と無料で大きく異なる。無料サイトが「ネット上で興味ある動画が紹介された時」がトップなのに対し、有料サイトは「観たいコンテンツがあったとき」がもっとも多い結果となっている。無料サイトは受動的、有料サイトは能動的に利用される傾向が強いことが分かる。

動画サイトへのアクセスタイミング

もっとも有料・無料とも「ヒマなとき」という回答もかなりの数を占めており、テレビのように「なんとなく見ている(利用している)」スタイルも浸透しつつあることが分かる。

また、無料動画サイト「Youtube」に限定して利用のきっかけをたずねたところ、「友人や知人の口コミ」「インターネットニュース」という回答が多数を占めた。他にも検索サイトで調べた結果以外に「個人のブログ」や「掲示板サイト」などネット上で第三者によって紹介された情報をもとに利用した人が多数を占めている。Youtubeがネット上の口コミ対象になっている、あるいはYoutubeの独自システム(対象動画のURLが短いことやコメントをつけられること、ブログパーツとして他のサイトやブログに貼り付けられること)が有効に活用されていることが分かる。

Youtubeを利用したきっかけ

●「Youtubeの内容を口コミした」は過半数

さらにYoutubeに限って動画情報を他人に伝えたかどうかをたずねたところ、43％もの人が「口コミで知人・友人に伝えた」と答えている。

Youtubeの情報を他人に伝えたことがあるか

他に、「mixiなどのSNSで」「ブログで」「ホームページで」など、手段を問わず他人に紹介した人は全体の53.7％に及んでいる。「本当に良いものと自分が感じた場合、自然にその面白さや良さを他人に薦めたくなる」という人間の心理は動画情報にも通用するようである。

また、(Youtubeに限ってだが)動画の口コミについては、「男性は年齢が若いほどその傾向が強い」「女性は年齢の差無く口コミ傾向が強い」「女性はブログで動画を紹介する傾向が強い」などの特徴が見受けられる。

動画もインターネット上の情報に過ぎないが、表現力やインパクトは静止画や文章に勝る点が多い。それだけに、観た者が受けた印象も強く、それが良いものだった場合に「他人に薦めたい」という思いも強くなるのだろう。

無料動画では(Youtubeのようにブログパーツ化して口コミをしやすくすることによって)より一層口コミでの波及が見込めるし、有料動画なら画像や文章には無いリアル感を利用者に提供できる。この「特徴」をうまく活用して動画をインターネット上に配信することで、有料・無料を問わず配信側も利用者側もより有効な動画の活用ができるに違いない。