「硫黄島」、「いおうじま」から「いおうとう」昔の呼び名に変更しました
2007年06月19日 08:00
【国土地理院】と【海上保安庁】は6月18日、小笠原村から地名修正の要望を受け、東京都小笠原村所属の硫黄島の呼称を「いおうじま」から「いおうとう」に変更したと発表した(【発表リリース】)。
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「硫黄島」は東京から南に1200キロ以上離れている周囲22キロほどの火山島。太平洋大戦中は激戦地となったことで有名。現在は一般の立ち入りが制限されている。また1968年に日本に返還されてから「いおうとう」と地図上では表記されていたものの、1982年の都の公報で「いおうじま」に修正されている。
「硫黄島」については元々地元で旧島民が「いおうとう」と呼んでいたこともあり、小笠原村から国土地理院に「地名を修正してほしい」との要望が寄せられており、国土地理院や海上保安庁海洋情報部(海図担当)で検討が行われていた。そして6月18日の協議会で呼称を「いおうとう」に変更することを決定した。
同時に「北硫黄島」の呼称が「きたいおうじま」から「きたいおうとう」へ、「南硫黄島」は「みなみいおうじま」から「みなみいおうとう」に変更される。
国土地理院では、硫黄島の呼称が変更されたことに伴い、2万5千分1の地形図「硫黄島」について、図名のふりがなを「いおうじま」から「いおうとう」に変更するとともに、併せて昭和57年以降の地形の一部について修正し、9月1日に刊行する予定と発表している。
なお【小笠原新聞】によると、この変更に先立ち3月では村議会で呼び名の変更を求める決議が行われており、そのきっかけはアメリカの映画『硫黄島(いおうじま)からの手紙』にあるという。この映画がヒットし、テレビなどで「いおうじま」と発音されることが多くなったため、本来の「いおうとう」に戻すべきという声がこれまで以上に、旧島民から苦情として寄せられたとのこと。
今回の呼び名変更について海上保安庁海洋情報部の高橋陽蔵主任海図編集官は「決定された島の読み方を変更するのはたいへん珍しいことだが、現地の呼び名を採用するという原則があり、小笠原村からの要望もあって変更することにした」と話している。
ちなみにIMEなど多くの日本語変換プログラムでは「いおうじま」と入力すれば「硫黄島」が出るが、「いおうとう」と入力すると「硫黄等」と出てしまい「硫黄島」は出力されない。自分で単語登録する必要があるので、念のため。
(最終更新:2013/09/08)
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