最も多く知られ使われている資産運用手法は「積み立て」と「分散投資」

2007年06月18日 06:30

株式イメージ先に【「投資の情報通」と思う人ほど資産運用が下手!?・利回りはわずか0.60%】などでもお伝えしている、【オールアバウトジャパン(2454)】が6月14日に発表したビジネスマンを対象に資産運用状況に関する調査結果によると、個人投資家の資産運用手法でもっとも知られ、実際に利用されている手法は「積み立て」と「分散投資」であることが明らかになった(【発表リリース】)。

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今調査はビジネスマン1000人を対象に5月19日から21日までの間、インターネット上で行われたもの。男女比は81.9対18.1。対象は年収700万円以上で株式取引をしている人かあるいは興味のある人。色々と興味深い調査結果が出ているが、今記事では資産運用手法に関する調査にスポットライトをあててみることにする。

資産運用手法のうち著名な5手法をリストアップし、それぞれについて「知らない」「聞いたことがあるが具体的にはどのようなものか分からない」「内容を知っている(が実行していない)」「知っているし実行している」の4択で答えてもらったところ、実行の有無を問わず「知っている」、つまり認識している率がもっとも高かったのは「積み立て」(一定期間ごとに特定対象に一定単位を買い増しする)だった。それに次ぐのが「分散投資」(複数の対象に分散して投資する。要するに「かごの卵」理論。相関性がない対象同士が望ましい)となっている。

資産運用手法に関する認知・実行の割合
資産運用手法に関する認知・実行の割合

「積み立て」「分散投資」は考え方も簡単なこともあり、それぞれ「知っている」「知って実行している」双方の率が高い。一方「知っているが実行していない」に限れば「積み立て」に次ぐのは「分散投資」ではなく「海外資産との分散」「長期運用によるリスク分散」で、その後にようやく「分散投資」が入る。

「海外資産との分散」
「長期運用でのリスク分散」は
認知度は高いが実行率が低い。
それぞれ「環境の不整備」
「長期の結果が待てない」
のが原因か

これは、大まかな考え方なら「海外資産との分散」(国内外に投資対象を分散する)も「長期運用によるリスク分散」(いちどきに投資するのではなく、売買のタイミングを長期的なスタンスで決定する)も「分散投資」の一種であることが大きな理由だろう。そして「海外資産との分散」では具体的に手段がないことや情報量の絶対的な不足、「長期運用によるリスク分散」では「長期運用の対象となりうる有望銘柄の選択の難しさ」や「長期運用=長期で結果が出るまで待てない」というせっかちな投資スタンスが推定できる。

認知度・実行度共に今回の選択肢ではもっとも低かった「ドル・コスト平均法」だがこれは「定時定額積み立て法」とも呼ばれており、特定の対象に一定期間ごとに一定額ずつ投資するというもの。

具体例を挙げると「毎年一回自社株を100万円分ずつ購入する」といったところか。去年の自社株の株価が50万円・今年が100万円なら、去年は2株・今年は1株買えることになる。合計3株を200万円で購入したから平均取得単価は66.7万円(で3株)という計算。

この手法の場合、中長期的に対象銘柄の株価が上昇すれば、時間分散の効果が得られ(「長期運用によるリスク分散」と同じ)一時的な株価の下落を吸収できる(要はナンピン)できる。金融商品のひとつでかつて大々的に宣伝されていた株式累積投資(るいとう)がまさにこの手法そのものといえる。


これら5つの投資方法だが、(気が付いた人も多いだろうが)期間や金額、対象など一部の要素が違うだけで、おおもとの考え方はほとんど変わらない。例えば「積み立て」において投資対象を特定のものに絞って金額も毎回同じにすれば「ドル・コスト平均法」になるし、「分散投資」の対象を相関性のない国内銘柄ではなく日本国内株と海外株に分ければ「海外資産との分散」投資になる。

真髄の部分をよく理解した上で、自分の投資に関する性格やスタンス、投資予算、そして投資目標などとよく「相談」しよう。そして、必要な要素を組み合わせて最終的な資産運用方法を決定するのが「勝利への近道」といえるだろう。

……蛇足だが「ドル・コスト平均法」「るいとう」は説明にもあるように、対象銘柄が中長期的に上昇するのが利益を得るための前提となっている。株価が長期的に右肩下がりの銘柄を選ぶと、持ち株数は増えるが含み損ばかり増え、それこそ「下手なナンピン、スカンピン」という事態におちいってしまう。他の投資手法でも同様だが、特にこの方法を選んだ場合、対象銘柄の選択が重要視される。くれぐれもお忘れなきように。

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