「有名サイトのすぐ下に表示されると損」!? 検索結果順とクリック率の不思議な関係
2007年06月13日 06:30
【アイレップ(2132)】とジャパンマーケットインテリジェンスは6月11日、消費者の検索エンジンの利用実態について眼の動きを調べる機械を用いた調査結果を発表した。それによると、「検索結果で有名サイトのすぐ下にあるサイトはクリック率が下がる」傾向があることが明らかになった(【発表リリース】)。
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この調査は赤外線を対象者の目の網膜に照射してその反射を利用し画面上の目線の動きを測定する「アイ・トラッキング機器Web Eye」を用い、日本国内でもっとも使われている2つの検索エンジン「ヤフー!」と「グーグル」について76人の被験者からデータを取得し、統計データをとったもの。
それによると、(調査時点のデザインにおいては)「ヤフー!はI型・逆L型」「グーグルはL型・E型」の視点移動をしながら検索結果をチェックしている傾向があることが明らかになった。
「ヤフー!」と「グーグル」それぞれの視点移動の傾向。
また、これらの結果から
・ヤフー!では関連検索ワードのクリック率が高い。
・ 〃 右側の広告は下よりも上の方が注目を集めている。
・グーグルではタイトル文字の内容を見てクリックする場所を決めている。
など、利用している検索エンジンごとの傾向が明らかになった。ただし現在では表示デザインが多少異なっており、この傾向も変化しているものと思われる。
さらに注目したいのは、「両検索エンジンとも、著名サイトの直下に表示されるサイトのクリック率は低い傾向にある」という事実が明らかになったこと。
ヤフー!でもグーグルでも、検索結果上に大手サイトがある場合そこに視点・注意が集まり、その直下のサイトのクリックレートは下がる傾向にある。
有名サイトの直下だと
クリック率は低くなる。
これまで検索結果の順位とクリック率については単に「上の方が注目されやすくクリック率が高い」という説が主流であった。しかし今回の調査結果からは単に上位であれば良いというのではなく、上下に表示される他サイトとの順番にも大きな影響があるという推論が導き出されたことになる。上記例だと有名サイトの直下よりも、二つ下にある方が倍近い差が出る場合もありうる、という結果が出ている。
ただし検索結果のリストにおいて他のサイトとの位置関係は、順位同様に変動が激しくサイト側でどうこうできるものでない。まさに神(検索エンジンサイド)のみぞ知る、ことである。上下にあるサイト次第でクリック率(=来場者数)に変化があることが分かっても、サイト運営者にできることはさほど多くない。
逆に特定キーワードを頼りにサイトを運営している通販会社などが、急に来場者の変動が見られた際には、アクセス解析と共に検索結果における自サイトの上下にある他サイトをチェックし、今回の調査結果を思い出してみるべきかもしれない。
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