楽天証券、再度金融庁から業務改善命令を受ける

2007年06月09日 12:00

株式イメージ先に【証券取引等監視委員会、楽天証券に再度処分勧告・システム障害防止が不十分との判断】でも報じたように、システム障害の再発防止関連で【証券取引等監視委員会】から処分勧告が出されていた『楽天証券』に対し、【金融庁】は6月8日、再発防止策を「実効性のあるものに整備するように」という内容の業務改善命令を出したことを発表した(【発表リリース】)。同じ問題で二度目の業務改善命令であり、内容も厳しいものとなっている。

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楽天証券はすでに2005年11月16日、システム障害を引き起こしたとして金融庁から業務改善命令を受けており、これについて2006年5月19日には「改善が終了した」との報告を金融庁側に提出している。しかし証券取引等監視委員会では相変わらず楽天証券に問題が発生している現状を鑑みて、「再発防止のための管理が十分ではない」と判断。金融庁に処分勧告を出し、今回の措置となった。要は「問題無いよ、と主張しているがその後も問題が多発してるじゃないか、もっとしっかりしろ」というお叱りを楽天証券が受けたことになる。

金融庁では楽天証券に対し

1.再発防止策を提示していたがそれが有効に機能しなかった原因を突き止めて、その上で「実効性のある体制」を整備し、報告しろ
2.経営陣の認識を改め、経営管理体制を充実し、責任の明確化を図れ
3.システム管理側の意識を高めて適正な業務を行うための人材を確保して体制を構築しろ


以上の点について一か月後の7月9日までに書面で報告する旨通達した。

これらの事項は証券取引のインフラをつかさどるネット証券においては必要不可欠、最低限の前提条件のレベル。それらの項目について事細かに、心境面(「認識を改め」云々)まで踏み込んで指摘するあたり、金融庁側の「おしかり」の度合が見て取れる。

100%完璧なシステム構築を求めるのは酷だが、その確率を高めることはできる。実際、他のネット証券も数年前までは似たようなシステム上の問題を抱えていたが、それらのほとんどは今現在においては解消し、問題発生も確率論的には無視してかまわないレベルの少なさにまで減少している。

しかし楽天証券では、証券取引等監視委員会の勧告が出された後の先週後半(6月6日以降)においても、尋常ならざる遅延が生じたという話を利用者から聞いている。他証券会社が状況を改善しつつある中で、楽天証券がいまだに問題発生率を高レベルでキープしていることは、無視できない問題といえよう。

果たして今回の金融庁からの業務改善命令に対し、楽天証券が「実効性のある」改善策を打ち出せるのか、そして打ち出したとしてそれが実際に効果が出るのか。一か月後までに出される予定の報告書の提出を待たねばならないだろう。


(最終更新:2013/09/02)

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