この調査はネットユーザー1102人に対して行われたもので、年齢層別では50代がもっとも多くて27.31％、次いで20代が20.87％など。

元々「セカンドライフ」とは日本語に直訳すると「第二の人生」を意味する。ゲーム・バーチャルワールドとしての『セカンドライフ』が登場するまでは、人生の大部分を過ごすことになる「仕事」を定年退職し、退職後の第二の人生をどう過ごすのかという問題提議も兼ねた言葉だった。

単に「セカンドライフ」と聞かれたとき、「退職後の第二の人生」と答えた人は76.50％にも登り、「インターネット上の仮想世界をテーマにした、あのゲームのようなコミュニティ」と答えた人は21.51％に過ぎなかった。

さらにオンラインコミュニティとしての『セカンドライフ(Second Life)』を知っているかという問いには、「知らない」という人が過半数を占めるという結果が出た。

『Second Life』という名前のオンラインコミュニティを知っている?

「そのようなものがあると聞いた記憶がある」程度の認知度が26.1％。実際に内容を含めてそれなりに知っている人はわずかに2割程度にしか過ぎなかった。元記事では【前回2007年2月の調査】データと比較して「聞いたことがある」人が増えていることを強調しているが、それでもまだ「多くの人に認知されている」というレベルには達していないことが分かる。

先行進出している企業にしてみれば、多くの人たちが『セカンドライフ』の名前や内容を知っているだけでは意味がなく、実際に参加してもらわないと効果を期待できない。しかし「実際に利用している？」という問いには、「今も利用している」「利用した経験はある(が今は利用していない)」を合わせても4.2％に過ぎないという結果が出た。

『Second Life』を実際に利用した経験は？

サイトにアクセスしたことがあるが、(恐らくはインストールや登録などが面倒になり)利用したことがない人が17.4％、単に利用したことがない人は8割近くを占めている。ゲーム・オンラインコミュニティとしての『セカンドライフ(Second Life)』の認知度は少しずつ高まりつつあるが、実際に「はじめの一歩」を踏み出している人は非常に少ないという現実がこの調査結果からもうかがえる。

実際、『アマゾン』や【グーグル】などで単に「セカンドライフ」と検索しても、数的には「定年退職後の人生の歩み方」に関する記述が多い。日本語版の運用が間近ということもあり色々な新刊や記事が登場し、検索結果上ではオンラインコミュニティとしての『セカンドライフ』が上位を占めるようになってきたが、それでも絶対数的にはまだまだ少数派といえる。

当サイトのアクセス分析結果では、オンラインコミュニティの『セカンドライフ』を検索しようとして検索キーワードに「セカンドライフ」を入力したもののなかなか思うような結果が出てこず、「ゲーム」などの言葉を追加してようやく目的のページを探し出すというパターンが多いようだ。

また今後定年退職を迎えて、「セカンドライフをどう迎えようか」と考える人が増えているのも事実で、そのような人たち向けのネット上コンテンツや本が次々と世に送り出されていることも見逃せない。

進出している企業にとってもっともありがたいのは、定年退職後という意味の「セカンドライフ」を迎えた人がオンラインコミュニティの『セカンドライフ』で第二の人生を楽しむというパターンだろう。しかし、現在の(操作に手間がかかる)仕様ではそれも難しい。『セカンドライフ』が話題となり多くの企業が注目を集めている一方、日本国内でも複数の似たような「メタバース」(『セカンドライフ』のような自由度の高いオンラインコミュニティ)が次々と生み出されているのは、そのような層を狙っての試みなのかもしれない。

(最終更新:2013/09/08)