【更新】石原東京都知事、コムスン問題で不快感を示しつつも態度を留保

2007年06月08日 19:35

時節イメージ石原慎太郎東京都知事は6月8日行われた定例記者会見において、介護ビジネス最大手で【グッドウィル・グループ(4723)】の傘下にある[コムスン]への行政指導の問題について、東京都として独自の姿勢や対応をとることはなく、国の指示に従うことを明らかにした([発表ページ])。

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石原都知事イメージ今回問題視されている一連のコムスン関連事件(不正申請の発覚など)は、東京都の監査とそれに対するコムスン側の「処分逃れ」と受け取れる廃業届申請の「いたちごっこ」が一つのきっかけとなっている。今回もコムスンが行政処分を受けたことに対し同日中にグッドウィル・グループが関連会社に全事業を譲渡するなどの対応措置をとったが、これについて石原都知事は

「一応、今の法律の限りでは合法。だが道義に劣るということで国は行政処分という形で処分を行うようだ。これからもこのような仕事のニーズは増えてくるので、同様な手抜き業者が出てこないとも限らない。今件をきっかけにきちっとした法の整備をしてもらいたい」


と語り、国に関連法の法整備を求めた。さらに、コムスンの事業譲渡が行われて、譲渡を受けた側の業者から届出があった場合、東京都としては届出を受理するのかどうかという質問について、

「国の指導を待たなければ白黒をいうべき問題ではない。このような仕事のニーズが増えたところに今件の火種があるのだから、やはり国にはしっかりと法整備をしてもらいたい」


と答え、法解釈をした上での判断をしないと難しいとし、現段階における独自の意見・方針を打ち出すことには難色を示した。

さらに事業そのものが廃業されて新たな受け皿となる施設が必要になった場合、都としてはどのような対応を考えているかについては、

「廃業した場合は、他の同業他社もいるのだからそこに割り当てる、シフトができないか考えている。ただし、コムスンは大手だっただけに困惑している」


と述べ、基本的には同業他社に割り当てることを都としても考えているものの、大手の廃業となると十分な受け皿が確保できるかどうかの問題点があることを指摘した。

また、記者会見中にグッドウィルの社長が引責辞任をすることを表明し、「脱法行為といわれているがそのつもりはなく、今回の事業移転はあくまでも、サービス継続と従業員の雇用の確保を最優先するため」と説明したことについて、石原都知事は

「それでは済まないと思う。要するに手抜きの仕事をしていたわけで、それをとがめられて、自分の系列会社に仕事を移転しても、介護を受ける人からすれば、(違う会社が違う意志をもってやるのならともかく)まったく同じことになるので不安は変わらない。当局側である我々監督者としてもそのような不安はある。


とし、「事業の丸投げ的移転」について不信感・不快感を明らかにした。

今件については[読売新聞]で報じられているように、本日の衆議院厚生労働委員会で柳沢厚生労働相が法制度の見直しも視野にしていることを明らかにしている。さらに調査を進めている多くの都道府県で不正申請などが発覚していることが報じられ、[グッドウィルの社長も事態の収拾が済み次第引責辞任をするとの発表(PDF)]も行われている。

この週末以降、各地であらためて調査が進められ、さらなる事実が明らかにされることだろう。


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