【更新】同額売買繰り返して出来高かさ上げ、株価不当吊り上げで二人を相場操縦容疑で逮捕
2007年06月08日 08:00
[読売新聞]などが報じたところによると、大証二部上場の塗料メーカー【川上塗料(4616)】の株式の売買を身内だけで繰り返して出来高を不当に高いように見せかけ、株価を不当に吊り上げたとしてさいたま地検特別刑事部は6月6日、東京都港区元麻布、無職の中前祐輔(53)と埼玉県越谷市瓦曽根、会社役員関沢賢治(43)の両容疑者を証券取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕した。
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元記事によれば両者は川上塗料の株価を不正に吊り上げる目的で、2003年4月3日から5月14日にかけて、同社株式の売買注文を繰り返して取引が活発なように装い、株価が急騰するように操作した疑いがもたれている。例えば208万株を買い付ける一方で166万株を売り抜けたり、94万株を同時に売買するなどの行為を行った。この「見せかけの出来高急騰」により川上塗料の株価は短期間で2倍以上に膨らんだという。
該当期間の川上塗料の株価。4月以降出来高を伴い急騰しているのがわかる。これを見た一般投資家が「何かがある」と誤解して買い付けに周れば(「提灯がつく」)彼らにとっては「しめたこと」となる。
調べを進めていた当局ではさいたま地検と証券取引等監視委員会が5月に関係先を家宅捜査。今回の逮捕に至った。
証券取引法などにおいては、本来不特定多数の市場関係者によって公正な価格形成が行われるべき相場に、人為的に作為を加えて株価を操る行為を「相場操縦的行為」と呼び、取締りの対象としている。今回のような「同一人物による買い付け・売りつけの大量同時行為」による出来高急増のみせかけ行為は「仮装売買」と呼んでいるが、他にも身内間の同様の行為を「馴合売買」と呼び、やはり相場操縦行為として処罰の対象となる。
他にも「見せ玉」「虚偽表示」など取り締まり対象となる売買行為は数多く存在する。あまり出来高のないマイナーな銘柄では特に、一定以上の資産を持った個人投資家ならば、このような行為によって市場操作をしていると判断されかねない入力は容易にできうる。くれぐれも注意されたい。
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