証券取引等監視委員会、楽天証券に再度処分勧告・システム障害防止が不十分との判断

2007年06月06日 23:55

【証券取引等監視委員会】は6月5日、『楽天証券』にシステム管理の不十分さなどの法令違反の事実が認められたとして、金融庁に対し楽天証券へ行政処分を行うよう勧告した(【発表リリース】)。楽天証券にはすでに2005年11月に同様の理由で業務改善命令が出されており、同じ問題で2年も経たずに再び処分検討対象として勧告を受けるという、異例の事態が生じている。

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発表によると楽天証券では以前の業務改善命令を受けて2006年5月には「システム増強策等に関する報告について」なる報告書を出し、改善措置が済んだことを報告。しかし「品質管理のための試験動作を怠り、再度システム障害を発生させた」「バッテリーの容量不足が再び発生していて運用管理体制の強化は図られていない」「トラブル事態報告書が作成されていない、あるいは管理に不備が認められる」「システムリスク上の管理体制に不備がある」などの理由から、複数回の問題を生じさせていたことが確認された。

そこで証券取引等監視委員会では「(業務改善命令を一度受けたにもかかわらず)証券業に係る電子情報処理組織の管理が不十分な状況にある」と判断、金融庁に再度の処分を勧告した。

証券取引等監視委員会からの勧告が金融庁にダメ出しを受ける可能性は少なく、恐らく楽天証券に再び業務改善命令などの行政処分が下されることだろう。これを受けて楽天証券側でも『謝罪文を発表(PDF)』しているが、具体的な要件は一切書かれていない。今後金融庁からの具体的な「指示」を受け、詳細な「厳粛に受け止めた結果としての対応」を行うと思われる。

かつての新興市場の活性ぶりはなく、一日の市場での出来高も減っているため、以前と比べればアクセス過多によるシステムトラブルのリスクは少ない。とはいえ利用者側からすればシステムの安定は必要不可欠、というより「利用する上での大前提」レベルの問題。文章にあるように「指摘内容及び勧告内容を厳粛に受け止め」対応してほしいものだ。


■関連記事:
【東証、楽天証券に戒告処分】
【金融庁、楽天証券に対して行政処分通達】


(最終更新:2013/09/02)

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