フィンランドからムーミンが学習支援サイト「プロジェクト・フィンランド」で勉強をサポート
2007年06月04日 06:30
【フィンランド大使館】が6月1日発表したところによると、同大使館は日本の小中学生を対象にした教育サイト【プロジェクト・フィンランド】を解説した。案内役には日本でも人気・知名度の高いムーミンが起用され、利用者の注意と勉強への熱意をかき立てる役割を果たしている(【発表リリース】)。
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フィンランドは経済協力開発機構(OECD)の国際学力調査(PISA)で世界第一位の座に輝くなど優秀な実績を上げていることから、その教育方法について世界各国から注目を集めている。そのフィンランドでは「自分で考えて、自分で学ぶ姿勢」を教育上重要なことがらであるとして、さらに「子供達が自主的に考えることを奨励するのが大切」(ヨルマ・ユーリン駐日フィンランド大使)とも考えられている。
「プロジェクト・フィンランド」ではムーミンの案内のもと、フィンランドでの学校生活をはじめ、バイオエネルギーやオーロラの仕組み、水や魚の環境問題など15のテーマについて、クイズ形式で学べるようになっている。「自ら考え、学ぶ」ことに重点を置いているため、サイト内でも多くの「問いかけ」が行われ、そしてその問いかけに答えを導き出せるよう、さまざまなリンクや資料を用意し、単なる暗記ではなく、「興味を持って調べて、考え、答えを導いていく」学習ができるのがポイント。
トップページメニュー。「フィンランドの学校と仕事」「美しい環境をまもるために」「世界の中のフィンランド」の3項目から選択できる。それぞれの項目は5つの小項目に分かれていて、クイズや調べ物が可能。
出題されたクイズに答えていくと、バッジやムービーを手に入れることができる。問題を解こうというモチベーションを高めるきっかけとなる。
サイト上の説明やクイズで興味を持ったら、さらに調べ物をするための外部リンクも用意されている。
【矢崎化工株式会社のフィンランドの家族政策と教育制度の解説ページ】にもあるが、フィンランドをはじめとする北欧諸国では(税金が高い分その税金を有益に使うことにより)社会福祉や教育制度が非常に充実している。この記事によると、フィンランドでは小学校から大学まで教育費は無料で、平等の教育機会を保障することにつながっているという。さらに9年間の義務教育期間は(日本のように教科書だけでなく)給食費も無料とのこと。また、大学生となり一人暮らしをしても、国から住居手当や勉学手当てを受けることもできるし、奨学金制度も整備されているという。
「プロジェクト・フィンランド」に登場する、あるいは学ぶことができる事柄は、(大使館主導のプロジェクトであるだけに)フィンランドの紹介が多い。しかし十分以上に楽しむことはもちろん、日本国内でも共有できる話もあり、なかなかに興味深い。
文中に使っている漢字の割合が多く、小学校の低学年が読むのにはハードルが高いのが難点だが、小学校高学年から中学生なら難なく読めることだろう。教育大国と呼ばれ、実績を挙げているフィンランドがどのような姿勢で(国の根幹をなす人材を育てる基本要素である)教育に取り組んでいるのか、その一端を知ることができるかもしれない。
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