ゲーム情報サイト「eg(イージー)」、6月22日に終了
2007年06月09日 12:00
NTT出版が運営しているゲーム情報サイト【eg(イージー)】は6月8日、同サイトを6月22日をもって終了することを発表した(【発表ページ】)。
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リリースなどによるとegは2000年7月にスタートしたゲーム情報サイト。元々ゲーム攻略本などを制作していたNTT出版が、そのノウハウを活かしつつゲームメーカーとユーザーの架け橋となるようなサイトを、というコンセプトの元に立ち上げられた。2005年度からはゲームに限定せず、フィギュアやアニメなど、俗に言う「オタク系」のジャンルにも進出し、各方面での記事を展開していた。
「eg」ではそれぞれのジャンルの新作情報はもとより、タイトルのデータベース、ソフトの発売予定表なども充実しており、「お役立ち度」の高いサイトでもあった。それだけに今回の終了発表は非常に残念でならない。
「終了」が「更新の停止」を意味するのか、既存コンテンツの全削除を意味するのかは発表文からはうかがい知ることが出来ない。出来ることならデータくらいは残してほしいものだが、領域確保の経費を考えると、それも難しいのかもしれない。
アクセス解析ツール【Alexa】のデータを見ても、最近になってアクセスが減る(=収益確保が難しくなる)という様子は見受けられない。年度替りではなく、この時期に突然終了を宣言するということは、やはり元々運営的に厳しいところがあったのだろうか。
Alexaによる、過去5年間の「人気度(到達度)」をグラフ化(青部分)。最大のライバルともいえる「ファミ通.com」と比較してみた(茶部分)。到達度は「ファミ通.com」の半分程度だが、2005年度のてこ入れ以降少しずつだがアクセスが増加しているのが分かる。
あるいは先に【インターネット総研の子会社が任天堂系の大手ゲームニュース・コミュニティサイト「Nintendo INSIDE」の事業を取得】で報じた動きからも見られるように、ゲーム系情報サイトの業界にも、「業界再編成」の波がやってきているのかもしれない。
WiiやDSの一般層への普及で、ゲーム情報の提供先もよりコアな層と一般層へと二極化する傾向がある。一方で、MovableTypeなどのCMS(Contents Management System。Webのコンテンツを構成するテキストや画像、レイアウト情報などを一元的に保存・管理し、サイトを構築したり編集したりするソフトウェアのこと)の普及で個人や同人レベルでも、法人運営サイトに近いデザインや機能のサイトを創れる時代となった。
さらに法人系ゲーム情報サイトも、デザインや提供情報的に「確固の個性」が見出しにくくなっているのは事実。「どれを見てもさほど変わらないのなら、一つをチェックすればいいや」とばかりに一極集中化の傾向も見受けられる。
「eg」の終了はこれらゲーム情報サイトの現状を見据えた新たな動きへの一環であり、今後何らかの形で別サイトのオープンを検討している、とポジティブに考えたいところだ。
(最終更新:2013/08/20)
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