オリックス(8591)とIRI(4741)が株式交換で経営統合
2007年06月05日 08:00
【インターネット総合研究所(IRI)(4741)】は6月4日、【オリックス(8591)】との間で経営統合に関して基本合意をしたと発表した(【発表リリース、PDF】)。IRIは6月24日に上場廃止となるが、これをオリックス株式と交換する形で11月をめどにオリックスが完全子会社化する。
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株式交換では独立系M&AアドバイザリーのGCAに算定を依頼し、その結果を参考としてIRIに提案。結果としてIRI株式1株に対し、オリックス株式0.667株を割り当てる配分となった。7月中にも正式に契約を行い、9月のIRIの株主総会を経て11月中に株式交換を終えて完全子会社化する。なお完全子会社化後も、両社の商号や事業内容、代表者、資本金に変更はないとのこと。
IRIの合併話については、先の2006年11月に、【SBIホールディングス(8473)】が経営統合の話をもちかけていたものの、IRIの子会社IXIによる循環取引が発覚。SBI側が計画を白紙撤回したという経緯がある。
IRIはマザーズ市場の上場第一号となった企業。IXI関連で多額のリスクを背負ったものの、ベンチャー企業への投資やIT技術の開発と提供という主事業は新興系企業としては珍しく堅調に推移しており、この根幹事業の部分に多くの企業が注目を集めていた。
今回オリックスはIRIを事実上買収することで、IRIの技術をリースや金融方面に活用すると共に、ネット事業への本格参入も図るものと思われる。またIRI側にしてみても、上場廃止により企業そのものの存亡の危機におちいっていたが、今回の買収で事なきを得たということになるのだろう。
なお交換比率1対0.667だが、6月4日の終値はそれぞれ32650円、7650円。この時点の株価で約2.85倍のプレミアがIRI側につくことになる。これから徐々に両社株の株価が鞘寄せされることになるのだろう。
またIRIでは【5月25日の段階】で、6月4日の15時半から上場廃止後の方針についての説明会を行うことを発表していた。このタイミングから考察するに、この時点ですでにオリックスとの経営統合に関する話はまとまっていたものと思われる。説明会開催の報を耳にし、「もしかすると」と判断してホールドをした投資家もいるのだろう。どちらにせよ非常にリスクの高い売買には違いなかったが、4日の段階でIRI株式を手放さずに保有し続けていた人の多くは、ほっと胸をなでおろしたに違いない。
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