「貯蓄から投資へ」、実際には7割が「株・投信は今後したくない」へ

2007年06月29日 06:30

株式イメージ内閣府と金融庁は6月28日、「貯蓄から投資へ」のスローガンに関する国民意識調査結果を発表した。それによると国の金融政策方針である「貯蓄から投資へ」について、実際に「これまでもしていないしこれからもするつもりはない」「これまでしてきたが今後するつもりはない」をあわせた、「今後株や投信をするつもりはない」と答えた人が7割以上いることが判明した(【発表リリース、PDF】)。国の掛け声にも関わらず「貯蓄から投資へ」について実情は伴っていないことが明らかになった。

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今調査は5月17日から27日、20歳以上の3000人に対し個別面接で行った調査結果で、1728人の有効回答を元に得た統計データによるもの。

それによると、株式投資については、「現在行っているが今後止めたい」「現在行っていないし、今後とも行う予定はない」という、「株式投資を今後するつもりはない」という人の合計は、前回調査(2005年12月)の71.2%から77.1%に増加している。「現在行っていないが今後行いたい」という積極的な意見も8.6%から7.3%に減るなど、株式投資を敬遠するようすがうかがえる。

株式投資について、今とこれから。
株式投資について、今とこれから。

一方、株式と共に注目を集めている金融商品、投資信託(投信)についてだが、こちらは今回はじめて調査を行ったので前回との比較ができないが、株式投資とほぼ同じ結果が出ている。

投資信託について、今とこれから。
投資信託について、今とこれから。

国の掛け声にも関わらず、株式や投資信託への意識・意欲が低いことが明らかになったわけだが、これは株価そのものが下落していることや、金利が上昇しはじめリスクが低い預貯金への関心が高まりつつあること、さらには金融商品そのものへの不信感が敬遠をうながしていることが推測される。

これは例えば、株式投資を続けたいと答えた人に質問した「なぜ続けたいのか」という理由について、前回調査と比べて「配当益が期待できるから」「インターネットを通じた株式投資ができるようになったから」などが上がったのに対し、「株価の上昇による値上がり益が期待できるから」と答えた人が大幅に減少(48.3%から39.8%)したことからも容易に分かる。

株価の上昇はもちろん、金融商品そのものに対する安心感・信頼感を回復しない限り、「貯蓄から投資へ」は掛け声だけに終わりそうだ。

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