「ネット上の有料情報購入」経験者は76.0%
2007年06月21日 08:00
【総務省】は6月20日、「メディア・ソフトの制作及び流通の実態」調査の結果を発表した。それによると日本のコンテンツ市場の規模は2005年の段階で11.3兆円に達していることが判明した。また、携帯電話の普及や通信インフラの高速化で環境が整い、実際に何らかの形で料金を支払ってコンテンツを購入した経験のある人は76.0%に登ったことが明らかになった(【発表リリース】)。
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調査結果によるとコンテンツ市場は年々拡大の一途をたどり、(一時縮小する場面もあったが)2003年以降は毎年増加し、その増加率も高まりつつある。中でも映像系コンテンツの伸びが著しく、2004年から2005年にかけて4.6%と高い伸びを示している。また、一次流通市場よりも二次利用(マルチユース市場)の伸びが高い。
しかしその一方、コンテンツを制作する費用は横ばいで推移する傾向も見受けられる。これは「お金を出す側がケチっている」からなのか、それとも「費用の効率化によって同費用で多くの、より高度なコンテンツを産み出す体制が構築されている」のかは分からない。
インフラの整備や携帯電話・パソコンの高性能化、さらにはネット上における支払の仕組みが体系化・普及したこともあり、インターネット上で有料のコンテンツを購入する割合が増えている。調査結果によると、全体の76.0%が有料コンテンツの利用を体験しており、4割近くが携帯電話とパソコンの両方で使用している。
インターネット利用者のうち有料コンテンツを利用したことがあるかどうか。
利用者における平均月利用金額は1299円と1000円を超しているが、メディア別ではパソコン利用者の料金が高めで、携帯電話に限った利用者の平均月利用金額は535円と少なめなことが分かる。
ソフト種類別・機種別平均月利用金額
また、機種別にみるとパソコンでは映像系への割合が多く、携帯電話では音声系のがもっとも多い。これは前者は有料動画への支払、後者は着うたなどへの支払が該当するものと思われる。
【動画サイト利用、無料は「ネットで紹介されたら」有料は「自分で観たい」時に】にもあるように、インターネット上の有料動画においては「自分で観たい時に観たいものを見る」という傾向があり、自分の欲求を充足するためには「多少の支払はクリアできるハードルだ」という認識が、このデータからも確認できる。
また、コンテンツの購入料金が、通話料金やパケット代など通常利用料金と一緒に請求されるため支払のハードルがパソコンよりもきわめて低い携帯電話では、今後も今まで以上に有料コンテンツの販売が積極的に行われるものと思われる。今後は例えば、料金支払を携帯上で行い、実際のコンテンツ利用はパソコンで行うといった、マルチタスク的な利用法も登場することだろう。
今回発表されたデータは非常に興味深い内容が多数盛り込まれている。詳しくチェックした上で後ほどピックアップしお伝えすることにしよう。
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