国民生活センターが喚起・怪しい投資話に関する7つの問題点と3つのアドバイス

2007年06月21日 12:30

時節イメージ【国民生活センター】は6月20日、怪しい出資話に関する相談が相次いでいることを明らかにした。「毎月3%の利息がつく」「1年後には倍になる」など高配当をうたう業者に多額の金銭を出資したものの、「配当金が支払われない」「出資金が返還されない」といった相談が多数寄せられているという。センター側では根拠もなく高配当をうたう出資には決して手を出さないように呼びかけている(【発表リリース】)。

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リリースによるとこのような「配当金が支払われない」「出資金が返還されない」といった相談はセンターのデータベースには2000年度から2006年度までに1万1403件入力されている。数年来は減少傾向にあったものの、2005年度から2006年度にかけては「平成電電」や「近未来通信」に関する案件があり、相談件数が増加した。

出資に関するトラブルについてリリースでは「配当金の支払いが滞ったり、業者が逮捕・倒産等してはじめて、一気に被害が表面化する傾向がある。このような状態になると、業者にほとんど資金が残されておらず、消費者に出資金が返還される可能性は低い」と分析している。確かに「平成電電」「近未来通信」いずれの場合も、このパターンが当てはまる。

リリースには詳細事例が3件ほど掲載されているが、それらを含めて相談事例が載っており、例えば

・満期の出資金を返してもらえない。利息も現金でなく業者発行の通貨で支払う
・稚魚の養殖への投資で一年で倍になるとの話
・上場する会社の株式への投資。しかし実際には上場せず、株式ではなくてその株式に投資する投資事業有限責任組合への出資だった
・財宝を積んだ沈没船の引き揚げ事業
・競馬の勝ち馬を的中させて資金の運用
・インターネット上のアダルトサイトの映像配信事業
・東南アジア諸国や、新興国でのホテル、マンションなど不動産の建設・運営
・      〃       コーヒー、パイナップルなど農作物の栽培


などがあるという。

そして相談事例からみる問題点として大きく

1.投資の対象・実態が不明
2.「高配当」「元本保証」をうたうセールストーク
3.信頼・信用を利用したマルチ的勧誘
4.突然、配当金の支払いが滞る
5.解約できない
6.法令の隙間を狙った勧誘
7.高年齢層を狙ったトラブルの増大


の7つを挙げ、その上で消費者へのアドバイスとして

1.怪しい出資には、手を出さない
2.親しい人からの勧めであっても、きっぱり断ること
3.最寄りの消費生活センターに相談すること


の3ポイントを列挙している。

怪しげな投資話の手口は昔も今も変わらないが、最近では訪問販売や口コミ以外に、ネットでの伝播も増えている。しかし9月に施行予定の金融商品取引法によって「消費者が金銭を出資し、その金銭をもとに業者が投資・事業を行い、そこから生じる利益を分配する仕組み(集団投資スキーム)に関する権利は、みなし有価証券として金融商品取引法の規制の対象」となる。

つまりこの類の話にも販売・勧誘の際に第二種金融商品取引業の登録が原則必要となるだけでなく、虚偽説明や断定的判断の提供が禁止されるなど、厳粛な販売勧誘ルールが適用されることになる。簡単にまとめると「9月以降は金融商品取引法の規制対象になるので怪しげな投資話への取締りと、法のしばりがキツくなるよ」ということ。

この施行をひかえ、関連業者による9月までの駆け込み的な「荒稼ぎ」の傾向が見受けられるのも事実である。今後短期的に「彼ら」の攻勢はますます強まるものと思われるので、各自自身はもちろん、周囲の(特にお年寄りなど)人にも注意をしてほしいところだ。

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