首都圏の光化学スモッグ詳細情報提供・6月11日スタート

2007年06月10日 12:00

時節イメージ【気象庁】などでは6月11日から、光化学スモッグの発生しやすい気象状況の予想「スモッグ気象情報」について、南関東4都県(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)を対象に、これまで以上に詳細なデータの提供を開始する([発表リリース])。

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光化学スモッグとは大気汚染ガス(窒素酸化物など)が日光の紫外線の影響で光化学反応を起こし、有害な光化学オキシダント(オゾンなど)が発生、それらが空気中に停留してスモッグ状になること。日差しが強く、風が弱い(のでオキシダントが飛散しない)日におきやすい。この2条件「強い日差し」「弱い風」を満たしやすい真夏に発生しやすいが、工場の大気汚染問題が叫ばれた1970年代をピークに日本では減少傾向にあった。

しかし最近ではヒートアイランド現象(地面がコンクリートなどで覆われているために空気が冷えず都市部で気温が上昇する現象)や、中国からの大気汚染物質の流入で、首都圏・京阪神地域や北九州地域で再び増加する傾向にある。

通常地域では朝9時40分ごろにスモッグ気象情報を発表する。それに加えて該当地域では、新しい予測手法を用いてスモッグへの注意を要する地域や時間帯(一時間毎)にしぼったスモッグ気象情報を13時20分頃に発表する。

新予測手法によるスモッグ気象情報を発表するエリアの区分。
新予測手法によるスモッグ気象情報を発表するエリアの区分。

今回詳細情報が提供される地域の気象情報を掲載している気象庁のページ(【気象情報ページ】)でも、今光化学スモッグに関する情報を提供していくという。

「光化学スモッグ注意報」はここ数年来、当方(不破)が住む東京・練馬区でも「天気が比較的良く気温が高く、ほとんど無風」の時に発令される。休みの日に区の広報スピーカーを通じて「光化学スモッグ注意報が発令されました」という間延びした声が聞こえると「工場ばい煙での大気汚染が社会問題になった1970-80年代じゃないのに……」と思ったものだ。しかし気象庁がこのような監視・情報伝達体制の強化を図っているということは、工場のばい煙以外の要素(ヒートアイランド現象など)で光化学スモッグが発生しやすい状況が進展しつつあるということなのだろう。

また今年に入ってから急速に、日本海側、特に北九州地域で光化学スモッグ注意報が頻繁に発令されている(運動会が中止されるなど、ニュースで何度と無く報じられているので耳にした人も多いはず)。こちらは光化学スモッグの一因である大気汚染ガスが、中国の大気汚染の影響である可能性が高い。一部については【中国が原因であると断定されている(国立環境研究所発表)】。今後はこの地域への詳細データの提供も望まれることだろう。

なお環境省でも【そらまめくん】という大気汚染物質広域監視システムのデータを提供し、全国レベルでの光化学オキシダント注意報(光化学スモッグ注意報)や警報の発令状況などを伝えている。外回りを常とする営業関係のサラリーマンなどは、これらの情報を目に留めてから外出した方が良いかもしれない。

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