今後はパソコンも使いたい「ケータイ族」は55%
2007年06月27日 06:30
【Webマーケティングガイド】は6月26日、普段パソコンからインターネットを利用しないユーザーの実態調査報告を発表した。それによるとインターネットを携帯電話からだけで利用する「ケータイ族」のうち、今後はパソコンも利用したいと考えている人が過半数の55.0%を占めていることが明らかになった(【発表リリース】)。
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【携帯からのインターネット利用、パソコンからのを上回るとの調査結果】や【「ケータイ族」1000万人突破・インプレスが最新白書発表】にもあるように、携帯電話経由でインターネットをアクセスする人は急増しており、さらに携帯電話のみでインターネット生活をしている人も数多い。一方で、携帯電話でしかインターネットを使わない・使えない、俗に言う「ケータイ族」に対し【携帯しか使えないと「下流」なの? 「下流携帯族」論にダウト!?】のように、パソコンでネットが出来ないのは「下流携帯族でしかない」との主張がネット上で論議を巻き起こしている。
今回の調査はこのような現状についてさらに実態調査をする必要があるとのことから行われたもので、対象となったのは10代から40代のモバイルユーザー300人。男女比は27.7対72.3と、女性陣が多いのが特徴。また、調査母体数がやや少なめなので、現状とは多少のぶれが生じている可能性を考慮してデータを見る必要がある。
●ケータイでのアクセス理由「パソコンを持っていない」「面倒だから」
まずもっとも気になるのが、なぜパソコンでインターネットを活用しないのか。先の「携帯下流族」論争では「利用者の技術が低いか、あるいはパソコンが買えないから」ということを「下流」たる理由に挙げていた。今回の調査結果によると、「パソコンを持っていないから」がもっとも多く34.0%を占め、奇しくも「携帯下流族」説を後押しする形となった。
なぜ携帯電話でのみネットを使いパソコンを利用しないのか
そのほかにも「家族と共有のものだから」「インターネットにつながっていないから」という回答も含めると7割近くの67.4%が「自分で自由に使えるインターネットへつながるパソコンが無い」と回答していることになる。
・携帯のメリットを活用している
・パソコンよりも簡単だから
元レポートでは「自分でパソコンを持っていなくとも学校や職場、ネットカフェなどでもパソコンを使える時代だから、それでもパソコンを利用しないのは、パソコンに対する抵抗が影響しているのだろう」と推測しているが、このアンケート結果だけではその推論を証明する手立ては無い。
もっとも、抵抗感云々は別として、「わざわざ学校やネットカフェまでおもむいてパソコンを利用するよりは、手元にある携帯電話で用事が済むのなら、面倒が無い」と考えているのは確かだろう。
その推論は「知りたい情報のほとんどは携帯で済ませられる」「携帯の方が便利で簡単」「携帯はいつも持ち歩いているので好きな時にできるから」などレポート末尾にある「モバイルインターネットで十分と思う理由」の具体例からもかいま見ることができる。
●「でも今後パソコンでネットを使いたい」は55.0%
次に今後パソコンでもインターネットを使ってみたいかとたずねたところ、過半数の55.0%が「今後は使ってみたい」と答えた。
今後パソコンでもインターネットを使ってみたいか。
今調査が携帯電話から行ったことを考えると、携帯電話ユーザーでもパソコンを使って広範囲にネットを使いたい人が多いことが分かる。その理由としてはパソコンのメリット「情報量が多い」「プリントアウトできる」「さくさく読める」「画面が大きい」が挙げられている。一方で、「携帯電話上のネットアクセスで十分」と考えている人も3割近い24.7%いることも注目に値する。
パソコンにしても携帯電話にしても、要はインターネットという情報源やツールへアクセスするための道具・手段に過ぎない。現状において「パソコンも携帯も使いこなす」「ケータイ族だけどパソコンも使いたいな」という層以外に「ネットアクセスとしての道具は携帯電話で十分」と考え、それを実行している「ケータイ族」は確実に存在し、独自の文化を形成していることは想像するに難くない。
そして今後携帯電話の性能が向上して携帯電話で出来ることが増えるにつれて、「安くてすぐに立ち上げられて気軽に出来、みんなも持っている携帯電話。インターネットもこれで十分」と考える人が、特に若年層で増えてくるのだろう。
(最終更新:2013/08/20)
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