「投資は50万円以下から」が過半数、情報源はインターネットがメイン
2007年06月04日 06:30
【Webマーケティングガイド】は5月30日、投資に関するインターネット調査結果を発表した。それによると、投資をはじめた時の投資金額は50万円以下からとした人が全体の過半数を占めていることや、主にインターネット、特にニュースや金融関係、証券会社などのサイトから情報を収集していることが明らかになった(【発表リリース】)
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今調査は20代から50代までの投資経験者計300人に対してインターネットによって行われたもので、母体数が少ないことや、調査自身がインターネット経由であることを考慮して結果を判断する必要がある。
●投資は少額でスタート
さて投資をはじめた時の投資金額はいくらか、という問いには、「10万円以上30万円未満」と答えた人がもっとも多く25.0%を占めた。
投資スタート時の投資金額
10万円未満と答えた人も2割強いて、50万円未満のくくりで考えると過半数を超え61.0%、100万円未満ならば80.3%にも達する。
30万円未満となるとちょっとした企業の株式を1取引単位(単元)購入すればそれでほぼ投資金額がなくなってしまう計算になる。取引単価が安い銘柄でも2種類、よくて3種類くらいだろう。このような現状を考えるに、投資をはじめた時には「金額の多少はともかく、まずはやってみよう」と考える人が多いことが分かる。
もっとも最近では多くの証券会社で、通常の1単元に満たない株式数でも購入でき「株主」になれる「ミニ株」「S株」などの制度が整備されるようになった。初期投資金額が10万円未満でもこのような制度を用いることで「よく知られている(そして単元価格が高い)銘柄」を買うことができるため、初心者も投資を始めやすいものと思われる。初心者であればこそ、自分が知らない銘柄より、どこかで聞いたことのある企業の株を買いたいと思うからだ。
●投資情報はネットでゲット
ネットのサイトが
新聞や雑誌、テレビなどを
抑えてトップに。
しかし収集情報が
信頼できるとは限らない。
それでは初心者も含めた投資家たちは、どのような経由で投資判断を行うための材料となる情報を収集しているのか。この問いには、四季報や新聞、雑誌、テレビを押さえ、「インターネットサイト」がダントツのトップとなった。四季報が32.3%、新聞ですら63.0%であるのに対し、インターネットのサイトと答えた人が73.0%を占めているのは驚異的な数字であるといえよう。
もっとも今データはあくまでも「インターネット調査」によるものであり、アンケートに答えている媒体を使っているのが前提となっている以上、高水準の結果が出るのは当然といえる(例えるなら自動車運転者に「あなたは自動車で買い物にいきますか」と質問しているようなものだ)。さらに【「ネット広告は素早く詳細を得られるが信頼性が薄い」~各メディアの広告へのイメージの違い】という統計データにもあるように「情報収集源としてはもっとも使えるが、信頼性は別問題」という意味も含まれているのかもしれない。
さらに「インターネットのサイトではどのようなサイトやサービスを利用しているか」という問いをしたところ、「ニュースサイト」が頭一つぬきんでて、それに「ファイナンスサイト」「証券・金融会社のサイト」が相並ぶ結果となった。
投資情報収集の際に参考にするサイト
一般的な情報も含めて世間の情勢変化を敏感に感じ取り、株価の変動や相場のトレンドを予想するのに役立てるという意味では、「ニュースサイト」がもっとも多くの回答を得られたのは当然といえる。また、金融関連情報に特化した「ファイナンスサイト」や「証券・金融会社のサイト」は、より具体的に分析した情報や、ニュースサイトでは取り扱われないような、しかし株価には影響を及ぼしうる情報を収集するのに必要不可欠なのだろう。
一方、Web2.0のカテゴリーに分類される「投資や金融に関するブログ」「SNSの投資に関するコミュニティ」はまだ利用割合が高くないことも判明している。これらのサイトの中には上記一般・専門サイトにはない貴重な情報が得られることもある。しかしあまり利用されていないのは、それぞれ個人や他の投資家の「フィルター」(考え、意見)が多分に影響し、自分の投資判断をまどわせる可能性があるからなのだろうか。
●収集した情報を正しく見極める能力を身につけることが必要
最近では大手SNSや掲示板には必ずといってよいほど金融・投資関連のコミュニティが用意され、また株式投資専用のSNSも「乱立」という言葉を使えるほどに登場している。ニーズがそれだけ大きく、また企業側も存在価値があると判断してのものだろう。
それらSNSや掲示板では、設立側、あるいは利用者の思惑や意図の通りに有意義な情報がやりとりされ、論議が交わされる場合も多い。しかし同時に(悪質・良質を問わず)仕手筋や投資グループなどが情報・市場操作の「道具」として利用し、役立つどころか多くの人にネガティブな情報、結果をもたらすような場と化してしまう場合も少なからず見受けられる。かつては口コミや会員限定情報などで市場操作をしてきた「勢力」にしてみれば、「新たな道具」が登場したということで、願ったり適ったりな状況と考えているのだろう。
投資家、特にインターネットのコミュニティへのアクセスそのものも間もない初心者には特に、「情報収集の大切さ」と共に「収集した情報の正確さ、確からしさ」と、その情報からいかに自分自身で取捨選択して自分の判断に「有意義に活かせるか」という、メディアリテラシーの技術を身につけてほしいものである。
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