長きに渡りよいサイトを運営し続けるツボ4か条

2007年06月30日 19:30

当方の部屋のあちこちには、サイトを見たり本を読んだりメルマガで送られてきた文章の中で「これは」と感じた言い回しをプリントアウトし、いつでも見直せる「覚え書き」を貼り付けてある。量が増えすぎてある時期以降はホワイトボードに取って代わり、貼り紙をすることは無くなったが、過去のものはほとんどそのまま残っている。そのような「貼り紙」の中で、ふと「これはサイト運営のツボにもそのまま当てはまるのでは」という内容のものがあった。そこで今回、自分なりの解釈などを加えてここに紹介してみることにする。

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その文面とは、かつて大いに流行り多くの自己啓発・経済セミナーなどでも取り上げられた『7つの習慣』というベストセラーの要約。当時流行った当書を元に「経営とはかくあるべし」と説いた、経営学のメールマガジンか何かの文面のようだ。「7つの習慣」はその由来や使われ方も含め賛否両論はあるものの、あれだけ売れた(各種あわせて世界中で1000万部は軽く売れたらしい)ことは事実。何か心に響くこと、拾うべき内容が含まれていることには違いない(心に引っかかるものがあり、あとで調べてみたら当方自身もシリーズのうち1冊を持っていたのは笑えない話)。

さて、肝心の「サイト運営にも共通する4つのツボ」だが、具体的には次の通りとなる。まず原典では、人が意味ある生活を過ごすために必要な「使命」(「ミッション」と呼んでいる)を定義している。元の話ではそれについて「忠実に生きて、人の役に立つこと」としているが、サイト運営なら「忠実な内容を書きつづけ、人の役に立つサイトにすること」とでもなるだろう。

「他人」ではなく「人」としたのは「自分も含めたすべての人に役立つサイト、その構成要素となるコンテンツを創り続け、一つ一つの文章では(事実、自分の心境に)忠実な内容を目指す」と自己解釈した上でのもの。100%他人のために奉仕するという、あまりにもキレイごと過ぎては、自分の言葉ではない気がするからだ(笑)。

そしてその「使命」を達成するために、原典では4つの事柄を決意していると述べている。これをサイト運営に当てはめ、多少読み替えてみることにする。

豊かな愛を持つ……サイトや記事への意見を肯定的に解釈してみる

いきなり歯が浮きそうなセリフだが、茶化してはいけない。元文章では「どういう状況におかれようとも個々のニーズを理解して、その人を愛するように努める」とある。サイト運営では「それぞれの読者の求めていることを理解し、その意見がどのようなものであろうとも、意見とそれを発した人を愛するように努力する」と解釈すればいいのだろう。

記事へのコメントや他サイトで引用された上での意見、メールでの要望など、ブログやサイトを運営していると多種多様な他人の「言葉」が寄せられる。宣伝やスパムはさておき(それも愛を持って削除・ブロックすればよい(笑))、どのような痛烈な批判においても、何らかの意図を持った上での意思表示ととらえてみる。そして、その意見を「自分をプラス化するよう、わざわざ言葉にしてくれた」とポジティブに考えてみるのだ。

どんなに否定的な意見であっても、その意見の元には何らかの考えがある。それを推測して探り出し、自分の糧にできればよい。具体的には例えば「あなたの文章は漢字が多く、堅苦しくて読みづらい」という否定的意見があったとしても、「漢字の使い方を気をつけたり、言い回しを簡易なものにしたり、専門用語を使いすぎないよう気をつけねば」と、サイトの内容を改善するヒントに結びつければよい。もちろん自分自身のポリシーや主体をちょくちょく変える、押し曲げるのは考えものだが。

相手が実のところどのように(どんなに感情をむき出しにして否定的に)思っていても、それをプラスのものとして受け取れればそれに超したことはない。どの道、相手の「言葉」は変わるところがない。ならば良いように解釈した方が儲けものではある。

犠牲を惜しまない……ひとかどのものを創るには努力が必要

努力イメージ元々の文では「使命を果たすためには自分の時間や才能、持っているものすべてをささげる」とある。すべてを投げ打って身体を壊したり本業に差し支えがあるようでは問題だが(サイト運営が本業ならともかく)、ひとかどのものを創るにはそれなりの努力と工夫、知恵が必要であることに違いはない。

自分の時間や技術など、持っているものは積極的にサイトの運営に活かすべきだろう。経験もしかり。努力の積み重ねで創られたサイトやブログは多かれ少なかれ、製作側の写し絵、というとオーバーだが、個性がにじみ出てくる。逆に考えれば「自分の分身」を創るような想いでサイトとそれを構成するコンテンツ(記事など)を懸命に手がけていこう。

もちろん新しい技術(例えばRSSやCGIなどのスクリプト)を用いて、自分の努力を効率化できればそれにこしたことはない。節約できた時間や手間を、別のことに活かせるからだ。

人に希望を与える……読んだ人にプラスとなるものを提供するよう努める

おおもとの文章では「人はみな、慈しみ深い神の子であり、すべての試練は乗り越えられるということについて、自分が模範となって周りの人に教えていく」とある。宗教云々は別として、サイト運営のノウハウに置き換えて考えれば「読者は皆、自分にとって愛すべきものであり、読む内容から何らかの希望を得られるようなものを目指す」というところだろうか。

これは本業の上司から以前指摘されたことでもあるのだが、ネガティブ・マイナス思考よりはポジティブ・プラス思考の方が物事何かとうまくいくことが多い。もちろんかつて紹介した【ハッピーニュース】のように良い話ばかりを伝えるブログやサイトのようにしろ、というわけではない。個性が強すぎるし、自分のポリシーに反するものになってしまう。また、事実を曲げて伝えたり考えろ、というわけでもない。

ただ、記事を構成したり考えたりする場において、マイナス要素ばかりを考えるより、プラスのことを考えて構成した方が、結局のところプラスとなるものを作り出し、読み手にも与えるような気がする。それが「希望」という言葉にもなるのだろう。

残念ながら世知辛い世の中である以上、「ニュース」「情報」と呼ばれるものは一見するとマイナス・ネガティブな捕らえ方をせざるを得ない内容のものが多い。それをそのまま伝えるのも一つの手であり「報じる」という意味では正しいことではある。

だが、何か救われるようなものを、読んだ人にプラスとなる要素を織り込むよう考えながら記事を書くのも一つの手であり、自分自身にも読み手にもプラス思考をもたらすのではないだろうか。

人にインパクトを与える……印象深い、糧(かて)となるものを読者に提供していくことを念頭に

元記事では「行動することで、周囲の人の生活によいインパクトを与えていく」とある。サイトやブログ運営の場合には、自分の記事が多くの人に読まれて「面白いね」「役立ったよ」「なるほど」と思われるもの、少なくとも「目を通したことが時間のムダではなかった」と思われるようなものを作り出して運営し続けることを目指す、ということになるのだろう。

大いなる、特にプラスのインパクトを読者に与えられればそれだけでもサイトの運営側にしてみれば喜び以外の何物でもない。人のためになったという実感は、何物にも代えがたい幸福感を自分自身にもたらしてくれるからだ。その「プラスのインパクト」が口コミ、ネットの場合には引用や記事の参照、ソーシャルブックマークでの波及などで第三者に波及し、多くの人に伝えられれば、幸福感の連鎖がサイト運営者である自分自身に津波のように押し寄せることになる。

【大手情報サイトが「アルファ」たる理由3か条と「スニーザーブロガー」】でも触れた、情報の二次波及などがその最たる例。自分が「これは大切なことだ、面白いことだ」と信じて記事を作り、その思いがきちんと伝えられ、多くの人のポジティブな反響を呼んだとき、背中がゾクゾクするようなほどの喜びを得ることができる。それが明日以降もサイトを運営し続けるモチベーションとなり、燃料となる。当方の場合、最近では【「住民税が2倍に増えた」「自営業者はツラい」の謎を探る】の記事がそれに該当するのだろうか。


元ネタがなにぶんにも古い話なのと、セミナー系の雰囲気もあるので好き嫌いが分かれるかもしれない。ただ、「サイトや記事への意見を肯定的に解釈する」「ひとかどのものを創るには努力が必要」「読んだ人にプラスとなるものを提供するよう努める」「印象深い、糧(かて)となるものを読者に提供していくことを念頭に置く」という四か条は、言われて見れば当たり前だが、なるほど「長きに渡りよいサイトを運営し続ける」のに必要不可欠な要素であることにも違いない。

原典には無いが、当方としては経験則から「努力に勝る天才無し」「愚直なまでに一途」「無かったら自分で創ればいい」の三つを足して、今後に活かして行こうと考えている。


(最終更新:2013/09/08)

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