期末から決算発表までの平均日数は40.9日・集中日には306社が一斉発表

2007年06月09日 19:30

株式イメージ【東京証券取引所】は6月8日、東証に上場する3月期決算会社の決算発表状況の集計データを発表した。それによると決算期末から決算の発表までにかかる平均日数は40.9日となり、前年と比べて1.6日短縮されたことが明らかになった(【発表リリース、PDF】)。

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リリースによると3月期決算の東証会社は1814社。そのうち現在にいたるまで決算を発表していない3社を除く1811社についてデータを集計したところ、決算期末から決算発表までの平均所要日数は前年比で1.6日短縮されて40.9日となった。また、一か月以内(30日以内)に発表を行った会社は15社増えて352社、45日以内は352社増えて1332社となった。

商法では三か月以内に決算発表の上株主総会を開催することを求めているが、東証では基本的に「45日以内に決算を発表するように」と要請している。その要請に従うことができた会社が1332社と全体の73.43%に達したことで、ある程度東証側でも満足するコメントを出している。

一方でそのタイムリミットである期末後45日目に該当する5月15日に、306社(全体の16.9%)もの会社が発表するという、特定日への集中傾向が見られている。東証ではこの現象について、「決算発表が集中すると市場の情報消化に弊害が生じて、効率化が低下する。集中日、集中する時間を避け、混雑度が低い日時に決算発表をするように」と、上場会社に注意をうながしている。

3月期決算会社の、期末から決算発表までの日数推移。昨年度と比べて若干高速化されると共に集中化が見られるのが分かる。
3月期決算会社の、期末から決算発表までの日数推移。昨年度と比べて若干高速化されると共に集中化が見られるのが分かる。

リリースでは決算発表が早かった会社もリストアップされているが、中でも決算期末から2日後に決算の発表を行った【メッツ(4744)】【アドヴァン(7463)】【あみやき亭(2753)】が注目に値する。連結対象会社の数や業務の形態、会計の複雑さなどは企業それぞれなので一概に「決算発表の早さ」がそのまま「発表姿勢の真面目さ」に結びつくわけではないが、それを差し引いてもこの3社を含むリストアップされている7社は賛美の声を送るべきだろう。

一方で(今回の発表統計データには無いが)決算を発表したものの単純ミスなどで後になって報告書の訂正を行う企業が増えていることも否めない。会計上の計算の基準に差異が生じた場合など仕方ない訂正もあるが、中には以前どこかで取り上げたように単純にプラスとマイナスを間違えて純益が大規模な黒字に転換したような決算報告書を出し、後になって訂正するところもある。

数字の差異は投資家の投資判断に大きな影響を及ぼしうる可能性がある。スピードアップを迫られているとはいえ、決算報告書のミスには注意してほしいものである。ミスをしないように、プロの監査人(法人)もついているのだから。……ケアレスミスをよくしでかす当方にミスを云々する資格はないのかもしれないが(笑)。

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