年間3.1万キロリットルを生産へ・農水省、バイオ燃料の生産拡大に向けて3事業計画を採択・支援
2007年06月02日 12:00
【農林水産省】は6月1日、日本国産のバイオエタノール・バイオ燃料の本格的な生産拡大を目指し、原材料の調達から燃料の製造・販売まで一貫して手がける事業への補助金の支援対象3地区を決定したと発表した。4月13日から5月11日まで公募を行い、応募のあった事業者などの中から審査委員会で精査し決定したもの(【発表ページ】)。
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決定した地区は、北海道の2事業所と新潟県の農協の合わせて3つ。原材料には食用ではない小麦や余剰米を用いる。2009年までに各地区では生産体制を整え、2011年までには合わせて3万1000キロリットル/年の生産体制に移行する。
今回農水省がいわば「上流から下流まで」一環して統括できる事業計画に補助金を出すことを決めた背景には、現在日本国内で生産や計画が進められているバイオエタノールに2種類のタイプが候補として存在し、それぞれ流通や原材料の確保で(第三者から見れば)無駄とも見受けられる駆け引きをしている現状を配慮してのものと思われる。
生産工場や流通ラインだけ事業を興しているところに補助金を出しても、他の部分でストップがかかれば補助金が「捨て銭」になる可能性が生じるからだ。それよりは、多少効率が悪くとも、原材料の確保から流通まですべて行える事業ラインに資金援助をした方が現実的だと農水省側では判断したのだろう。
政府の計画では年間600万キロリットルのバイオ燃料生産を目標としている。その目標値と比すればわずか0.5%ほどに過ぎないが、今後各事業所の能力拡大や新規採用などで生産力全体を増やし、目標値に近づける努力が続けられることだろう。
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