ブルドックソース(2804)、スティールのTOBに反対表明・対抗措置の新株予約権発行も発表

2007年06月08日 08:00

株式イメージ先にソースメーカー大手の【ブルドックソース(2804)】に対しアメリカ系投資ファンドのスティール・パートナーズが株式の公開買い付け(TOB)を行っていた件についてブルドックソース側はこれまで態度を留保していたが、同社は6月7日、このTOBに反対することを取締役会で決議すると共に、ファンドの影響力を弱めるための対抗措置を実施する方針を決定したと発表した(【発表リリース、PDF】)。対抗措置は新株予約権を発行するもので、6月24日の株主総会で決を得たうえで実行される予定。

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スティールのTOBに対してブルドック側ではこれまで、意図が読めないとの理由から態度を留保してきた。また、スティール側に対しその「意図を読む」ために用意した質問状をスティール側に提示し、回答を求めていた。

しかしブルドック側の主張によれば、スティールの回答では内容が不鮮明なところが多く、また具体的な回答を行っていない個所もあり、判断に欠けるものと認識。そして「企業価値を高めるどころか毀損する可能性がある」「意図が不明瞭」「手法が不適切」などの理由から、今TOBが最終的に「ブルドックにとって企業価値ひいては株主の共同利益の毀損につながるものであると判断」。反対するに至ったとのこと。

具体的な対抗策としてブルドック側では、自社持ち株以外に対して「1株につき3株の新株予約権を発行する」「スティール側およびその関係者には予約権を行使する権利はないが、ブルドック側が396円で買い取る」というもの。この新株予約権の大量発行でスティール側の影響力を約1/4程度に低めることができるとしている。今件について6月24日開催予定の株主総会で(会社の重要事項として)2/3以上の賛成を得た上で実際に発動する、とブルドック側では説明している。

今件についてにスティールでは「内容を十分確認したうえで今後の対応を検討したい」とコメントのみ発表し、具体的な対応については言及していない。

ちなみに396円という値は6月7日の終値1655円で概算すると微妙な線。ただしスティール側がこれまでに買い集めていた時点での株価と比べれば十分に高い水準で、それなりに利益は出るものと思われる。

ここ数か月の間、スティールパートナーズ関連の買収やその動きに対する防衛策に関する報道が相次いでいるが、実際に新株予約権の発行など防衛策発動を明確にし、発動動議を総会にかけるステップにまで進んだパターンは珍しい。スティール側の動向も含め、今後各株主の反応や、スティールが大株主となっている他の企業の動きが気になるところではある。


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