味の素(2802)がカルピス(2591)を完全子会社化へ
2007年06月12日 08:00
調味料国内最大手の【味の素(2802)】は6月11日、現在グループ会社の飲料大手【カルピス(2591)】の株式を株式交換形式で全株取得し、10月にも完全子会社化することを明らかにした(【発表リリース】)。今後成長が期待できる健康食品分野の強化を図る目的があるという。
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リリースによると味の素ではカルピスの株式1に味の素株式0.95を割り当てる形で取得、完全子会社化する。現在でも味の素はカルピスの24.98%を出資する筆頭株主で、カルピス社長の石渡総平氏は味の素出身であるなど、両社の関係は深い。
今回の完全子会社化による、経営判断の迅速化をはかり、健康機能性飲料や食品分野の強化、海外事業への展開、経費削減などを図るという。特に健康食品分野は昨今のメタボリック症候群関係や高齢化社会に対応した食品の堅調さが背景にあり、この分野でさらなるアドバンテージを採るための方策と思われる。
なお完全子会社化後もカルピスそのものは独立した株式会社として存続し、当面は現経営陣による経営体制を維持するとのこと。また「カルピス」ブランドは有効活用することもあり、当然のことながら存続する。
カルピスが上場を廃止することを残念に思う投資家も多いだろう。今後経営がスリム化され決定が迅速化したカルピスや味の素から、どのような新製品が登場するのか、せめてそちらに期待をかけることにしよう。
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