ブロードバンド契約数は2644万件、うちFTTHは33.3%に・DSLは微減
2007年06月09日 19:30
【総務省】は6月7日、電気通信事業報告規則の規程に基づき、電気通信事業者から報告のあった2007年3月末時点における各種契約数などをまとめ、その集計結果を公表した。それによると3月末での「ブロードバンド契約数」は2643万8403件で、3か月前から68万3413件増加していることが明らかになった。またFTTH(光ファイバーによる家庭向けのデータ通信サービス)の伸び率が目覚しいことも分かった(【発表リリース】)。
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リリースによると2007年3月末におけるブロードバンド全契約数は2643万8403件。前回計測時の2006年12月末と比べ68万3413件増加している。中でもFTTHは794万399件から880万3898件と86万3499件増えており、ブロードバンド全体に占める割合も31%から33%に増加している。
ブロードバンド契約数全体に占める、FTTH(緑)・DSL(黄)・CATV(ピンク)の割合。DSLの減少分とFTTHの増加分が比率的にはほぼ一致しているのが分かる。
一方、日本にブロードバンドの概念を広める役割を果たしたといえるADSLなどのDSLはいまだにブロードバンド全体の53%のシェアを占めるものの、三か月前と比べると22万2688件と、各種内訳の中で唯一減少しているのが分かる。このことから、単純に「ブロードバンドの新規加入者はFTTHを導入する割合が多い」だけでなく、「DSLからFTTHに乗り換える人が多い」ことも推測される。
地域別でも多分に違いが見られる。例えば東京都・滋賀県・京都府ではFTTHの割合が4割を超えているが、その一方で三重県・富山県・福井県などではCATVの割合が多い。特に三重県ではブロードバンド契約数全体の5割近くがCATVで占めている。これは三重県の政策の一つに「地域間の情報格差を是正するため、県内の9ケーブル会社のCATV網を活用して大規模ネットワークを整備する」というプロジェクトのたまものと推測される(【関連ページ:三重県政策部情報政策室内】)。
今後も「CATVは一定の契約数を保ちつつ微増」「DSLは漸減」「FTTHは漸増」というパターンは続くだろう。家庭内のインターネット通信環境でも数十メガのスピードが期待できるFTTHやCATVの高速版回線が普及することによって、動画を中心とするコンテンツ配信側の姿勢も変化していくことだろう。
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