「インサイダー取引関連の規程なし」上場企業172社も・東証など各取引所発表
2007年06月01日 06:30
【東京証券取引所】など日本全国の証券取引所は5月31日、全上場企業を対象にインサイダー取引(内部者取引)の管理状況に関する第一回目のアンケート結果を発表した。それによると回答を得られた3317社のうち、インサイダー取引に関する管理規程すら定めていない企業が172社・5.2%も存在するなど、対応の遅れが目立つ実情が明らかになった(【発表内容データ、PDF】)
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調査結果では「インサイダー情報」に関する企業側の認識の甘さや、法的根拠の誤解など、現状における問題点が数多く指摘される内容となっている。例えば「インサイダー情報」となりうる重要事実となる情報を管理するタイミングをたずねたところ、40.0%の企業が「取締役会などの特定機関で決定したとき」と答えた。
しかし判例では機関決定を経ていなくても「実質的に会社の意思決定と同じ」と判断されれば、重要事実と認定される。よって、株価を左右しうる重要な事象、例えば業務提携やリコール、事故の発生、業績修正などの事象については、取締役会で発表内容を決定する以前から情報の管理をしなければならない。どこかで聞いたような話だが、「まだ取締役会で最終決定してないんだけど、うちの会社どうやら●×社と合併できそうだよ」という話を取引先のデザイナーに話すことも「インサイダー情報」になりうるわけだ。
今回の調査結果を受けて各取引所では、早急に法令の再確認と遵守を各上場企業に求めていくとしている。
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