ネットの動画広告、影響があるのかないのか……「過去購入に影響あり」は1割強、「今後あるかも」は5割

2007年06月25日 06:30

【Webマーケティングガイド】は6月21日、インターネット動画広告に関する調査結果を発表した。それによると、ネット上の動画広告をきっかけにこれまで商品を購入した経験のある人は1割程度しかいなかったが、今後何らかの形で影響があるかもしれないと答えた人は5割に及ぶことが明らかになった(【発表リリース】)。

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同調査はインターネット動画広告を見たことがある16歳から49歳のネットユーザー男女322人に対して行われ、男女比は42.5:57.5。調査母数がやや少なめなので、調査結果には実情からのぶれの可能性を考慮する必要がある。

動画広告はテキストやグラフィックの広告と比べると制作に時間と費用がかかる。大手新聞社のサイトに、時々パソコンメーカーなどのFlash製の広告が表示されるのが目に留まるが、確かに視線や注意がそちらに寄せられる実感はある。そのような経験則から「動画広告は手間ヒマかかる分、目立つ」という推測はなりたつのだが、実際にはどうだろうか。

調査結果によると、動画広告中に表示されるバナーにはさほど心を動かされないが、動画広告自身には「印象に残る」「広告商品をイメージしやすい」「広告内容が分かりやすい」など、好意的な意見に対する同意がそれなりにあり、テキストやグラフィックによる一般バナー広告と比べて注目を集めているようすが分かる。

しかしながら、その動画広告や広告中のバナーを見て、それがきっかけで商品を購入した経験がこれまでにあるかという問いには、84.2%と8割以上の人が「ない」と答えている。

これまで動画広告やその内部バナーを見て、それをきっかけに商品を購入した経験はあるか。
これまで動画広告やその内部バナーを見て、それをきっかけに商品を購入した経験はあるか。

一度でも購入した経験がある人は合わせて15.8%いることになるが、これが高いのか低いのかは判断しにくい。同一調査母体において「テキスト広告やグラフィックによる一般バナー広告を見て商品を購入した経験があるか」という比較対照調査がないと、動画でない広告との比較ができないからだ。

動画広告を見て
7人に1人が
購入した経験あり

とはいえ、約7人に1人が、動画の広告で購入意欲を動かされた経験があるという結果はそれなりに効果はあると見てよいだろう。

ちなみに購入した商品のジャンルは「健康食品」「化粧品」がダントツで多かった。これは「動画広告でこのジャンルが効果的」というよりは、「このジャンルでは動画広告が多く展開されている」と見た方が良いだろう。一方、文頭に例示した「大手新聞社でよく見かける、パソコンメーカーや保険会社、証券会社」はほとんど該当がなく、「目立つが購入意欲には直接影響を与えていない(告知効果は抜群だがそれ以上の影響力は期待できない)」こともあわせて推測される。

それでは「今後動画広告を見て、商品・サービスの購入に影響を受けると思うかどうか」という、今後の展開と影響についてたずねたところ、過半数の50.9%が「まああると思う」と答えている。

今後動画広告を見て、商品・サービスの購入に影響を受けると思うかどうか。
今後動画広告を見て、商品・サービスの購入に影響を受けると思うかどうか。

今後動画広告を見て、商品・サービスの購入に影響を受けると思うかどうか(※図版において「非常にあると思う」が1.2%しかないがそれにして面積がかなり大きい。足し算をしても計算があわず、この部分は4.3%である可能性が高い)。

過去において実際に影響を受けた人が2割にも満たなかったのに対し、今後「大きな影響力はないだろうが、それなりにあるのだろう」と答えた人が過半数を占めている。この結果から、今後は動画広告が今まで以上に大きな影響力を持ち、自分の消費行動に反映されるのではと、多くの人が「ばくぜんと」だが考えていると推測される。

次回の調査では動画広告を他のメディアと比較してその違いをリサーチしていくという。先の疑問「動画広告による影響力、過去において7人に1人が購入のきっかけになった、という数字は他のメディアに比べて高いのか低いのか」も明らかになるのだろう。

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