日本の『セカンドライフ』利用者は0.8%・「実質ゼロ」の少なさ
2007年06月18日 06:30
先に【「ケータイ族」1000万人突破・インプレスが最新白書発表】で報じたように、【インプレス(9479)】傘下の出版社【インプレスR&D】は6月13日、インターネット業界に関するデータを織り込んだ白書「インターネット白書2007」の内容を発表した。その白書によると、多人数同時参加型ネッワークコミュニケーションツール【セカンドライフ(Second Life)】の認知度は3割近いものの、実際に利用している人はわずか0.8%と1%にも満たないことが明らかになった(【発表リリース】)。
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今調査は2007年3月に電話経由で行われ、有効回答数は6000人・5874世帯とのこと(『セカンドライフ』関連の質問は母体数が2000)。ネットでのアンケートなど質問媒体に偏りがなく、母体数もそれなりに多いので、データの信頼性は高いものと思われる。
発表された資料によると、『セカンドライフ』についてサービス名を知らない人がもっとも多く4割近い39.8%を占めている。次いで「サービスは知っているがアカウントも取得したことがなく実際に利用したこともない」という「知ってるだけ」な人が27.0%。「分からない」人31.2%も合わせると、9割以上の人が「アカウント取得すらしていない」ことが判明した。
『セカンドライフ』の認知度・利用度調査結果
さらに、「アカウントは持っているがほとんど利用していない人」は1.3%を占めており、実際にアカウントを取得した上で利用している人はわずかに0.8%。ほとんど誤差の範囲で実質的には「ほぼゼロ」に等しいことが明らかになった。
アメリカやヨーロッパでは多くの人が利用しているとされ、企業や報道、政治などさまざまな分野で「ネットコミュニケーションツール」の一体系としての座を確保しつつある『セカンドライフ』。日本では少なくとも3月の時点では「統計的にはゼロにほぼ等しい」割合の人しか利用していないことになる。企業の先行参入が相次いで報じられているものの、正式日本語化は繰り延べされる一方で、今回このような数字が出ることで不安に思う人たちもいることだろう。
今調査からは好意的・否定的か、なぜ利用していないのかまでは調べられていないが、「サービスは知っているがアカウントも取得したことがなく実際に利用したこともない」が3割近くいることが救いになる。今後日本語環境が整い日本人プレイヤーにとってのハードルが低くなれば、この層から実際にアカウントを取得し、利用する人が増えてくるに違いない。そうすれば現在はわずか0.8%に過ぎない利用者層も、この数倍に増加することだろう。もちろんサービスの良さや魅力の充実が前提条件となることはいうまでもない。逆に考えれば現段階で「3割近くの人が知っている」ということ自身、驚くべき値ともいえる。
また、今レポートでは類似サービスとして【スプリューム】についての調査結果も併記されているが、「サービス名すら知らない」人の割合が高い他は、利用者数など実際の利用状況は『セカンドライフ』とほぼ同じだった。
『スプリューム』以外にもすでに複数の日本国内企業で類似サービスの提供が報じられている。そして「『セカンドライフ』の利用者が実質ゼロとほぼ同じ」現状ではどのサービスにもスタンダードになるチャンスがあるといえる。今後はこれらのサービスによる激しい顧客獲得競争が繰り広げられるに違いない。
※追伸:
……ということですが、「0.8%なら十分高い」という意見も見受けられます。「他には何もせずに『セカンドライフ』だけで0.8%」なら十分すぎるほど高いですが、他のサービスも併用するとなると、企業が期待しているほどではない、ということですね。これが4~5%くらいになると、かなりの「普及」ということになるのですが(5%だと、学校のクラスでだれか一人は実際にプレイしていることになる。)
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