「投資の情報通」と思う人ほど資産運用が下手!?・利回りはわずか0.60%

2007年06月15日 06:30

株式イメージ【オールアバウトジャパン(2454)】は6月14日、ビジネスマンを対象に資産運用状況に関する調査結果を発表した。それによると「自分は知識を持っている」と認識している人の方が資産の利回りが低い傾向にあることが明らかになった。同リリースでは「かたよった情報源に基づいた判断が原因」と分析している(【発表リリース】)。

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今調査はビジネスマン1000人を対象に5月19日から21日までの間、インターネット上で行われたもの。男女比は81.9対18.1。対象は年収700万円以上で株式取引をしている人かあるいは興味のある人。

知恵モノは投資信託を運用すべき!?

知恵モノは
投資信託の
利回りが良い。

調査結果では資産運用について「平均よりよく知っている」層の株式における年間平均利回りは0.60%に過ぎず、全体平均の1.22%の半分にも届かない結果となった。一方で投資信託で同様の層については全体平均の2.19%を上回る2.33%という数字が出ており、「知識を持っていると自認している人は、株式現物よりも投資信託を運用した方が利益が得やすい」という統計データが導き出されている。

目標は高いが実績は伴わず、情報は豊富だが内容はかたよりが

一年間にこれだけの資産を増やしたいという利益目標と、それに対し実際にどれだけの成果をあげられたかという目標達成額・比率についての統計では、全般的に「目標達成はかなわない」場合が多いことが分かる。

統計データでは収益がマイナスとなり、目標達成率の計算どころではない層が複数あって、一概に統計データを比較することは難しい。しかし例えば株式現物において「年間10%程度の利益をあげよう」と考えている層が実際には0.93%しかプラスとならず、目標の達成率が1割にも満たないなど、欲をかくとうまくいかない場合が多いことが分かる。

一方投資信託の場合、利益がマイナス水準になることは少なく、「年間10~30%の利益を上げよう」と考えている人の収益率がもっとも高い(3.17%)という結果が出ている。

上記の結果とあわせると、「知識を集め投資信託を中心に投資を行い、目標は年間1割から3割」という投資目標を立てれば、成功しやすいのではないかという推論が成り立つ。

今調査結果では他にも色々と気になるデータが出ている。例えば「投資先の決定にはインターネット上の情報を参考にする」が63.2%、「すべて自分で考える」が52.7%を占めており、他人に相談すること無くネット上で調べて自分で考えるという「一匹狼」「自分頼り」な投資家が多いことが分かる。何か困ったことがあってもネット上で調べる(インターネットの掲示板などで相談するという、ネットを経由して他人とのやり取りをする方法は除く)という人が多数を占めている。

レポートではこのような傾向が、情報のかたよりをもたらし、結果として投資判断を誤らせ、利益につながらない投資行動を繰り返す結果になっているのでは、と推測している。


投資判断はあくまでも自己判断・自己責任で、というのが投資における大原則。とはいえその「自己判断」を行う「自分の意識」には、他から持ち込まれた多数の情報が大きく作用する。その情報元が片寄れば、結果として自己判断も片寄ったものになるだろう。

そして不思議なことに、「片寄った情報」の大半はどこかに問題があり、間違いを含んでいる。そしてその情報を元に判断を下すと、大抵においてよい結果は得られない。特定個別の情報だけで判断し、大儲けが出来る話など滅多にないというのが現実だ。

「猿が決めた銘柄と専門家が決めた銘柄でパフォーマンスを比較したところ、猿が勝った」「ダーツを投げて決めた銘柄への投資の利益率は一生懸命考えた上で投資している投資家の利益率を上回る」などという、冗談のような本当の話をよく耳にする。ごく一部の幸運の持ち主以外は、多種多彩な情報をうまく活用し、決して欲張らず、自分の判断で投資をするのが一番の成功への近道なのかもしれない。

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