【更新】大和証券も夜間取引市場開設へ・独自のPTSで12月にスタート
2007年05月18日 06:30
[読売新聞]などが伝えているように、【大和証券(8601)】の鈴木茂晴社長は5月17日に開いた事業説明会の場において、ネットを利用した株式の夜間取引市場を今年の12月にも開設する方針であることを明らかにした。夜間取引といえば現在すでに運用中の【カブドットコム証券(8703)】、「マネックスナイター」で以前から夜間取引市場の雄として知られている【マネックス証券(8698)】などが有名だが、3大証券会社としては初の参入となる。
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元記事によると大和証券が構想している夜間取引市場は、独自に開設する私設取引システム(PTS)として運用し、インターネット経由で売買注文を受け付ける。昼間の取引が難しい顧客層に夜間の取引機会を提供して、利便性を高める狙いがあるという。
取引対象商品は主要上場企業の現物株式。さらに株価指数やアジア株などの外国株、将来的には外国為替取引も対象にする予定。取引スタイルはオークション方式ではなく、マーケットメイク方式を用いる方針とのこと。
夜間取引といえば上記二社以外に【SBIとネット証券5社、夜間取引市場を今年中に設置へ】で報じたように、『楽天証券』や【オリックス証券】、【GMOインターネット証券】、【SBIイー・トレード証券(8701)】、【SBI証券】と【SBIホールディングス(8473)】の計6社が今年中にPTSを用いた夜間取引市場を開催する予定。こちらはオークション形式を用いる予定で、やはり「今年中にスタート」という話になっている。
オークション・マーケットメイクどちらの形式にしても、参加者が少ない、つまり出来高が少ないと、円滑な取引市場は形成されにくい。例え調整がしやすいマーケットメイク形式を採用するにしても、大和証券一社の顧客だけで満足のいく夜間取引市場を形成しうるのか、少々疑問が残る。
とはいえ、大和証券としては「顧客の利便性を高める」のが一義的な目的であるから、最低限の売買ができれば意義は達成できる。さらに「あの大和証券が」ということになれば、そのネームバリューを信頼してそれなりに利用客も増えるだろうし、さらなる「秘策」も用意しているのかもしれない。
今後大和証券が正式スタートに向けてどのような手を打ってくるのか。情報公開を楽しみにしたいところだ。
(最終更新:2013/09/02)
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