「気合とがまん」「水を飲む・ガムをかむ」が禁煙方法のトップ
2007年05月31日 08:00
【ノバルティスファーマ】は5月22日、過去1年間に禁煙を考えた喫煙者3889人を対象にしたアンケート調査結果を発表した。それによると禁煙方法として多くの人が「気合とがまん」や「水を飲む・ガムをかむ」などの旧来の方法を用いており、保険対象となった「禁煙外来」を用いている人はわずか3.6%に過ぎなかったことが明らかになった(【発表リリース】)。
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今調査は2006年4月にニコチン依存症管理料、俗に言う「禁煙外来」が保険の適用対象となってから一年を迎えたのにあたって行われたもので、インターネットによるアンケート調査形式が用いられている。
それによると、過去1年間に取り組んだことのある禁煙方法(複数回答)では、「気合とがまん」がもっとも多く57.8%を占め、「水を飲む・ガムをかむ」が42.3%とそれに次ぎ、せっかく保険適用となった「医療機関(禁煙外来)を受診した」はわずか3.6%に過ぎないことが明らかになった。
過去1年間に行った禁煙方法。
「ニコチンガムをかむ」や「ニコチンパッチをはる」もそれぞれ13.6パーセント、5.9%とそれほど高くなく、医療方法として禁煙を考えることはまだ浸透していないことがうかがえる。
禁煙を医療方法として考えていないのは、そもそもニコチンへの依存症(Nicotine Dependence、ND)を病気と認識していないからだと推測。その推測を元に「ニコチン依存症」という言葉への認知度と、「タバコを止められないのは病気のためだということを知っていたか」と質問したところ、「ニコチン依存症」という言葉自体はよく知られているものの、「止められないのは病気のため」であることを知らない人が4割を占めるなど、病気としての認知度は今ひとつであることが分かった。
「ニコチン依存症」の言葉そのものと、たばこを止められないのは病気のためだということの認知度。言葉は知っていてもその内容については今ひとつであることが分かる。
レポートではこの他にも、禁煙に成功するには「意志の強さ」「適切な禁煙方法の選択」などが上位を占めて「禁断症状に対するコントロール」は25.3%に過ぎないことなどから、「保険適用開始から一年が経過したものの、NDが病気であることや、禁煙外来の具体的な内容、しいては禁煙のために病院に行くことの一般の認知がまだまだ低いことが確認された。一方で、禁煙外来を受診した人は、禁煙外来について高い評価をしている」という現状を分析している。
特に注目したいのは禁煙外来を受診するにあたり、受診した病院を選んだ理由について。もっとも多いのは「禁煙外来をしている病院のリストをウェブで見た」という回答で30.2%を占めている。他にも「病院のサイトを見た」が23.3%で、「かかりつけの医者がやっている・紹介された」の計38.4%と比べても肩を並べられるほどの高率である。主治医に相談して、あるいは主治医から持ちかけられて禁煙外来を受診する以外に、自分から積極的にネットで検索して受診しようという、意志の表れが見て取れる。
保険適用がされるとはいえ、禁煙外来にはそれなりのお金はかかるし、拘束時間も少なくない。面倒ではあるし、自分の気合やガム・あめ・水などへの切り替えで禁煙ができるのなら、それに超したことはない。
ただしレポート本文にもあるように、基本的にニコチン依存症は病気の一種であり、禁煙外来などの医療行為による禁煙も一つの手段であることを認識する必要があるだろう。そして「禁煙したい」という思いを持っているものの、自らの意志での禁煙が難しいのなら、積極的に禁煙外来を利用すべきだと思われる。
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