人生の「オタク」分岐点は中学時代

2007年05月31日 08:00

雑誌イメージ【ワンズ・コミュニケーションズ】は5月30日、オタク系SNSの【Otaba】と共同で「オタク」に関する調査を行い、その結果を発表した。それによると、「オタク」に目覚めた時期は「中学生」と回答した人がもっとも多く32.6%を占めていたことが明らかになった(【発表リリース、PDF】)。

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今回の調査における調査期間は2006年12月23日から2007年1月14日。「Otaba」内で実施され有効サンプル数は601だった。男女比は男女=64.6対30.4(他に「教えない」が5.0)。平均年齢は27.25歳で、職業は社会人がもっとも多く49.8%、学生25.3%、ニート10.6%など。地域は関東地区がもっとも多く50.2%。自己申告によるオタク度は10段階評価で平均5.33。リサーチ場所が場所であるだけに、多分に色々な意味で「オタク度」が高いことを考慮しておく必要がある。

目覚めの時は中学時代

自分がいつ「オタク」に目覚めたかという問いには、「中学生」と答えた人がもっとも多く32.6%を占めた。次いで小学生高学年が23.1%と多く、この2期間だけで過半数を占めていることが分かる。

・小学校前……6.8%
・小学校低学年……10.8%
・小学校高学年……23.1%
・中学生……32.6%
・高校生……14.8%
・大学、大学院、専門……8.7%
・社会人……1.8%
・その他……1.3%


小学校高学年から中学生の時期に「覚醒」する人が多い一方、小学校に入る前、つまり幼稚園児・保育園児やその前からすでに自分を「オタク」と認識していた人が6.8%もいるなど、生まれもっての「オタク」とすら呼べるような人も相当数いるのが分かる。あるいは生活環境がなせる業(わざ)だろうか。

ちなみに中学生までをすべて足すと73.3%。義務教育課程において「オタク」の大部分が生み出されていることが分かる。

第二の「聖地」は池袋や日本橋、ビックサイト

日本国内では最大のオタク分化発症発祥の地であり、国内外からオタクのメッカとして崇められている秋葉原。この秋葉原に次ぐ「聖地」はどこかという質問には、「池袋」と答えた人がもっとも多く13.61%を占めた。

・池袋……13.61%
・日本橋(大阪)……12.61%
・ビックサイト……9.08%
・お台場……7.06%
・中野……6.05%
・新宿……3.87%
etc.


アンケート取得対象者の過半数が関東地区出身であることを考えれば、池袋がもっとも多いのも当然の結果といえる。ただしビックサイトやお台場、乙女ロード(通称名)などがすべて別項目で計算されており、これらをすべてあわせ「コミックマーケット(コミケ)の会場」として考えれば、「コミケの会場ビックサイト」がもっとも多い得票となる。

「ガンダム」「エヴァ」が多いがルーツはひとそれぞれ

「オタク人生のルーツとなるコンテンツは」という問いへの回答は非常に分散した結果が出ており、まとまった得票を得た特定物が少ない結果となった。トップの『機動戦士ガンダム』ですら3.67%でしかない。

・機動戦士ガンダム……3.67%
・新世紀エヴァンゲリオン……2.67%
・ファイナルファンタジーシリーズ……1.00%
・ときめきメモリアル……1.00%
・宇宙戦艦ヤマト……0.93%
・幽遊白書……0.93%
・セーラームーン……0.93%
・To Heart……0.87%
etc.


元データでは懐かしいアニメやゲームタイトルがずらりと並んでおり、ある意味壮観。中には『月刊アウト』や『ファンロード』のようなオタク系雑誌、『マイコンベーシックマガジン』のようなプログラム系雑誌(の後半部分で連載されていたオタク系記事)、「林原めぐみ」のような声優の姿も見受けられる。

いずれにしても「ルーツ」の対象となるコンテンツは多種多様人それぞれ千差万別であり、特定のアイテムに集約されているわけではなさそうだ。これはオタクというジャンル以外においても人によって「人生に転機を与えたきっかけ」が人によって異なるのと同じなのだろう。


レポートでは他にも「アニメ系オタクはニュースサイトやファンサイトを主な情報源とし、一週間の平均視聴時間は6.05時間。リアルタイムではほとんど見ずに9割近くが録画したものや購入したものを観る」「コミック系オタクは書店やニュースサイト、漫画雑誌で情報を集め、作家が好きだからそのコミックを選ぶ。一か月に漫画雑誌は平均4.29冊、コミックは8.28冊読む」「ゲーム系オタクはロールプレイングが大好き。ニュースサイトやファンサイト、ゲーム雑誌やメーカーのサイトを情報収集源とする」など、オタク属性によって異なる部分と共通する部分があるのが分かる。

今回の調査はオタクの巣窟ともいえるSNS内での調査であり、オタク属性に関する調査の精度としては比較的高いものを持っていると思われる。消費行動や商品展開において、今や無視できないファクターとしてその存在を誇示しているオタクについて、その実情をかいま見るには非常に有益なデータといえるだろう。

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