投資対象は株式・投信、始めたきっかけは記事やニュース、目的は副収入……個人投資家の投資動向リサーチ

2007年05月22日 12:30

株式イメージ【Webマーケティング】は5月21日、個人投資家の投資動向に対するアンケート調査結果を発表した。それによると個人投資家の投資対象は主に株式や投資信託(投信)、投資をはじめたきっかけは各媒体の記事を読んだりニュースを目にして、投資の目的は副収入を得るためという傾向があることが明らかになった(【発表リリース】)。

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今調査は20歳から59歳までの会社員や自営・自由業者のうち、これまでに投資経験を持つ300人を対象したもの。年齢比は20代・30代・40代・50代が均等とのこと。調査件数が限定されているため、多少のぶれが生じている可能性があることを考慮する必要がある。

金融商品ベスト3
・株式投資:79.7%
・投資信託:44.0%
・外貨預金:22.7%

これまでに利用したことがある金融商品について複数回答でたずねたところ、もっとも多かったのはやはり株式投資で79.7%の人が回答した。次いで投資信託の44.0%、外貨預金の22.7%、個人向け国債の14.0%、外国為替証拠金取引(FX)の13.7%という順。郵便局での販売が始まったことで投資信託が半数近くにまで浸透していること、外貨預金が思った以上に多くの人の投資対象となっていること、そして個人向け国債が知名度の割にはあまり利用されていないことなどがわかる。

「誰もがはじめは初心者」の言葉にあるように、初心者として投資をはじめたきっかけは人それぞれ。きっかけや影響を受けたことがらについて複数回答でたずねたところ、もっとも多かったのは意外にも「インターネットの記事に刺激を受けた」というもので、これが32.7%にも及んだ。

投資をはじめたきっかけ、影響を受けたもの。
投資をはじめたきっかけ、影響を受けたもの。

他にも「雑誌」「新聞」など記事に刺激を受けたものが多い傾向が分かる。記事を読んで投資をはじめ、そのようすをブログなどの記事にしてネット上にアップし、さらにその記事を読んだ人が……というような、スパイラル的な個人投資家増大の状況に、ネット上の投資記事、特にブログによる投資日記は大きな影響を与えているものと思われる。

その一方、知人や友人に勧められたり、利用している(のを見て触発されたり)などから始めた人も多く、実際の口コミも大きな影響力を持っていることが分かる。

今後退職金を手にした団塊世代が、年金や退職金だけでは不足するのを補うため、あるいはもっと充実した定年退職後の生活を送りたいという考えから、投資を行う可能性はきわめて高い。それら「第二の人生」からはじまるルーキー的個人投資家の増加で、「おじいちゃんが投資をするのなら自分も試してみようか」「お父さんが株を始めるという話だから、私も投資信託の積み立てから始めようかな」というように、特に家庭内口コミレベルでの個人投資家の増加も今後は期待できよう。

それら定年退職後の団塊世代が投資を行う目的は主に収入の補填が理由だろう。定年退職した人自身は年齢的に今回の調査対象ではないが、予備群の年齢層は含む今アンケートの中で実際に投資をする主な目的を尋ねたところ、やはり「給料以外の収入(副収入)がほしいから」と答えた人が60.7%ともっとも高い値を示した。

投資をする目的は?
投資をする目的は?

収入がそれなりにある人でも、やはりお金は多ければ多いほどよいわけで、投資によってその収入枠を増やしたいと考える人がもっとも多いのは当然至極といえる。しかし具体的に「将来の生活費や娯楽費をカバーするため」と考える人が43.0%いる一方で、すでにある程度の余剰資金を持ち「その余剰資金を有効活用したいから」投資をする人も42.3%いるなど、多かれ少なかれ必要に迫られて投資をしている人と、「より高みに」と望んでいる人の両方いることが分かる。

また、どんな種類の金融商品に手を出すにせよ、対象となる商品自身の知識はもちろんのこと、関連するさまざまな社会現象や動向について情報を収集して判断材料にしなければいけない(まったく調べずに当てずっぽうに金融商品の売買をしたのでは、それは投資ではなくてギャンブルに過ぎない)。「投資自体に興味があるから」「社会・経済・金融などの勉強のため」など、知的好奇心を充足する目的で投資をする人も3割程度ずついるのも興味深い話だ。


「すでに投資をしている人の話を見たり聞いたりして興味を持ち投資の世界に仲間入りする」というスパイラル的な増加と、団塊世代の年金補填のための増加とあわせ、今後数年間は個人投資家の数は漸増するものと思われる。そしてこの機会をチャンスとばかりに、各証券会社(特にネット証券)も門戸を広く開けて顧客の囲い込みに必至なのが分かる。

投資家人口の増加によって、経済に興味関心を持つ人が増えるのは非常に好ましいことである。その一方、安易な取引(特に信用取引)であっという間にスッテンテンとなる事例も増えている。今後は単に投資家人口の増加に注目するだけでなく、個人投資家の啓蒙活動が今まで以上に必要になることだろう。

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