【更新】米スティール、ブルドックソースの株式公開買付を開始

2007年05月19日 12:00

株式イメージ先に【スティール・パートナーズ、ブルドックソースに全株買い付けのTOBを表明】でも報じた、アメリカ系投資ファンド「スティール・パートナーズ」が【ブルドックソース(2804)】に対し全株買い付けのTOBを表明した件で、スティール側は5月18日、株式の公開買付を開始したと正式に発表した([発表リリース])。買い付け価格は1584円と、先の予告どおり。

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リリースの中でスティール側では業務に関与する計画はないなど「ブルドックソースの株主と従業員の皆様に、建設的かつ前向きに現経営陣との協働を継続していく所存である」と明言している。ただしその文言に法的拘束力はなく、さらに「日本や他国でスティールが食品会社に投資をしてきたこれまでの豊富な経験がブルドックソースにも役立つものと考えている」と述べ、買収が成功した暁には実質的に事業戦略面でさまざまな手を打つことを匂わせている。

スティール・パートナーズは現在ブルドックソースの株式10.15%を保有する筆頭株主であるが、今回の買付開始発表でもブルドックソース側の意向を考慮するような表記はない。

今件についてブルドックソース側では公開買い付け開始の当日に【当社株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ(PDF)】を発表し、その中で「現時点では買い付けに賛同するか反対するかは決定していない」と意見を保留する旨を明らかにしている。また、一部報道でブルドックソース側が「ホワイトナイト(今件ではスティール以外の友好的買収者)の可能性を検討する」とした件については否定する発表を行っている(【5月18日付の一部報道について(PDF)】)。

ブルドックソースの株価変動
ブルドックソースの株価変動。
TOB発表後、出来高の急増と共に
株価が窓を開けて急騰している。

5月16日のTOBの発表以降、同社の株価は思惑買いも合わせて急騰。元々出来高がそれほど多くない銘柄だっただけに「チャート」とは呼べないようなチャートが形成されている。18日の終値は1650円で一時期は1776円まで上がっており、スティール側の買い付け価格をはるかに上回る値となっている。これはホワイトナイトの登場の可能性に関する報道など、「さらに高値で買い付ける買い付け者が登場するのでは」「スティール側も買い付け価格を引き上げるのでは」という思惑によるものと思われる。

来週以降、ブルドックソースの経営陣がスティールの買収提案に対してどのような意見を述べるのかに注目したいところだ。もっともブルドックソースは(安定業種という)銘柄の傾向として元々中長期的に保有する個人株主が多かっただけに、大株主はともかくとして、中小の個人株主が賛同するかどうかは微妙なところ。最新の四季報データでは28.5%が浮動株とあるが、これらの株主の動向が気になるところだ。

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