実験では同一モデルに同一デザインのセーターを着てもらった写真を使い、比較実験を行った。用意された写真は9種類のカラーのセーターを着ているというもの。

9種類のセーター写真。……さて、どの色が一番スマートに見える?

調査結果によると、世間一般に言われているように「黒がスマートに見える」という答えが圧倒的に多数を占めた。逆に「薄いピンクや白、水色」は太めに見えるという回答も得られた。

色の印象調査結果。

元記事ではさらに2種類のセーターを比較対照する形で、スリムに見えるか、身体のラインがきれいに見えるかなどを調査した。その結果、「黒や青などの濃い寒色系が身体のラインはきれいに、細く見える」「薄い色や白はラインが不明確で太めに見える」というデータが得られたという。

元記事では調査結果だけで、なぜ「黒や濃い色がスマートに、身体のラインがきれいに見え、白や薄い方がラインが不透明で太めに見えるのか」についての説明付けは行われていない。

もちろん、黒い服を着たからといって実際にやせたりするわけではない。恐らく色が黒、あるいは濃い服の場合「周囲の色との差がくっきりと出るので」、ラインがきれいに見え、それがスマートさを演出しているのだろう。逆に白の場合、背景と本人の身体の境界線の認識が見る側からすれば今ひとつあいまいになり、見た側の脳裏に錯覚を引き起こすのかもしれない。仮に背景を黒にしてみたり、暗い場所で同じ調査をしてみれば(白や薄い色が目立つので)逆の結果が出ることが予想される(ただし直後に述べるような、黒そのもののイメージによる印象はくつがえせない)。

また、人が元々持っている「黒」「白」という色に対するイメージも、ラインのきれいさやスマートかどうかの印象に影響を与えるのだろう。体重や胸囲、胴囲などの具体的な数字ではなくあくまでも「印象」なのだから、最終的に判断をするのはそれぞれの「頭」である。「黒」という色には秘めた魅力や高貴さ、神秘性が一般的な印象として存在し、それがスリムさを演出していることも考えられる。

……「魔性の女」と描写されるような、魅力ある女性が映像で表現される場合、服装などは黒で演出される場合が多い。あらためて考えてみると、「なるほどな」と思わざるを得ないのが正直な感想だ。